アートとの調和!ギャラリーにシラス壁が選ばれる理由

はじめに
美術館やアートギャラリーを訪れたとき、作品そのものだけでなく、空間全体に「心地よさ」を感じたことはありませんか。
作品が見やすい、長くいても疲れない、静かで落ち着く。その理由の一つが、壁の素材にあります。
近年、ギャラリーや展示空間で注目されているのがシラス壁です。
一見するとシンプルな白い壁ですが、実はアートを引き立てるための工夫がたくさん詰まっています。
シラス壁とは何か?
シラス壁は、2.5万年前に南九州の姶良カルデラの噴火によって発生した巨大火砕流が堆積した「シラス」という火山噴出物を原料にした自然素材の塗り壁です。
ビニールクロスのように工場で作られたものではなく、職人が手作業で塗って仕上げます。
表面には、肉眼では分かりにくいほどの小さな穴が無数にあり、これが空気や光、音にやさしく働きかけます。
理由① 作品の色を邪魔しない「白」
ギャラリーの壁は白が基本です。しかし、白にもいろいろな種類があります。
ビニールクロスの白は、光を強く反射しやすく、照明の影響でテカって見えることがあります。
一方、シラス壁の白は、光をやわらかく反射するため、部屋全体が明るく感じられます。
そのため、
・絵の色が自然に見える
・写真の明暗がくっきりする
・立体作品の影がきれいに出る
といった効果があります。
壁が目立たず、作品だけが自然に浮かび上がる。これが、アート空間でシラス壁が選ばれる大きな理由です。
理由② 長時間見ても疲れにくい
展示を見るとき、私たちは無意識に壁も見ています。反射が強い壁だと、目が疲れやすくなります。
シラス壁は表面をよく見ると、細かなザラザラ(凹凸)が無数にあります。
この凹凸が光を乱反射させ、まぶしさを抑えてくれます。
結果として、「気づいたら長く滞在していた」「静かに作品と向き合えた」そんな体験につながります。
理由③ 音を吸収し、静かな空間をつくる
ギャラリーでは、音も大切な要素です。足音や話し声が響きすぎると、落ち着いて鑑賞できません。
シラス壁は、多孔質であり、吸音する性質を持っています。
完全な防音ではありませんが、「音が丸くなる」「空間が静かに感じる」という効果があります。
この静けさが、作品への集中力を高めます。
理由④ においを残しにくい展示空間
展示会では、
・人の出入り
・新しい作品や資材
・飲食のにおい
など、さまざまなにおいが混ざります。
シラス壁は、においを吸着する性質があります。
時間がたつと、空間がリセットされたように感じられるのも特徴です。
作品の世界観を、においで邪魔しない。これも、プロの現場で評価されているポイントです。
理由⑤ 壁そのものが「主張しすぎない表情」を持つ
シラス壁は、完全に均一ではありません。よく見ると、色ムラ・コテ跡・自然な陰影があります。
この「少しの揺らぎ」が、
・無機質すぎない
・でも目立ちすぎない
絶妙なバランスを生みます。
作品より前に出ない。けれど、空間としての質は高い。ギャラリーにとって理想的な壁です。
ジャンルを問わず相性がいい理由
シラス壁は、特定のアートジャンルに偏りません。
・絵画
・写真
・彫刻
・現代アート
・工芸作品
どれに対しても、背景として自然に溶け込みます。
展示内容が変わっても、壁を替える必要がないのもメリットです。
メンテナンス面での安心感
自然素材というと、扱いが難しそうに感じるかもしれません。しかし、シラス壁は意外と実用的です。
軽い汚れなら、消しゴムやスポンジで対応できます。多少の経年変化も、「味」として受け入れやすい素材です。
展示を重ねるごとに、空間が育っていく。そんな感覚を大切にしたいギャラリーに向いています。
なぜ今、シラス壁なのか
アートの世界では、「作品だけでなく体験全体」が重視されるようになっています。
空間、光、音、空気感。そのすべてが、作品の印象を左右します。
シラス壁は、目立たない存在でありながら、空間の質を確実に底上げします。派手な演出ではなく、静かに支える壁。
それが、今のギャラリーに求められている役割です。
まとめ:壁は、アートの最も近くにある脇役
アートを引き立てるために、壁は前に出すぎてはいけません。でも、手を抜いてもいけません。
シラス壁は、
・作品の色を正しく見せ
・空間を静かに保ち
・来場者の集中を助ける
そんな理想的な「脇役」です。
アートと調和する壁を探しているなら、シラス壁は、確かな選択肢の一つと言えるでしょう。
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