シラス壁のデメリット5選!導入前に知っておきたい注意点

2025/12/26(金) シラス壁コラム

内装:白洲漆喰/施工:株式会社佐保建設(岡山県)

はじめに

「シラス壁って体に良さそう」「自然素材でおしゃれ」そんなイメージから、シラス壁を検討する人は年々増えています。

たしかに、シラス壁は消臭効果や調湿効果があり、化学物質も使わないため、健康を気にする人には魅力的な素材です。
しかし、良いところばかりを見て決めてしまうと、後から「こんなはずじゃなかった…」と後悔することもあります。

この記事では、シラス壁を実際に検討・採用した人の声をもとに、導入前に必ず知っておきたいデメリットを5つ紹介します。
メリットだけでなくデメリットも理解したうえで、本当に自分の家に合うかどうか判断する材料にしてください。


デメリット① 思っているより費用が高い

シラス壁の最初の壁は、価格の高さです。
一般的なビニールクロスと比べると、シラス壁は材料費も施工費も高くなります。
理由はシンプルで、職人さんが手作業で塗る壁だからです。

クロスは貼るだけですが、シラス壁は、

  • 下地処理
  • 塗りつけ
  • 仕上げ
  • 乾燥

と工程が多く、時間も手間もかかります。そのため、「けっこう高い」と感じる人も少なくありません。

特に、家全体をシラス壁にすると、予算オーバーになるケースもあります。
対策としては
・リビングだけ
・寝室だけ
など、場所を限定して使うのも一つの方法です。


デメリット② ヒビ(クラック)が入りやすい

シラス壁は自然素材のため、ヒビが入りやすいという特徴があります。
これは欠陥というより、素材の性質に近いものです。

家は建てたあとも、

  • 木が乾燥して縮む
  • 地震や振動が起きる
  • 気温や湿度が変わる

と、少しずつ動いています。

ビニールクロスは柔らかいので動きに対応できますが、シラス壁は硬いため、その動きについていけず、細いヒビが入ることがあります。「せっかくきれいに仕上げたのに…」と気になる人には、これは大きなストレスになるかもしれません。

ただし、
・構造に問題があるような危険なヒビ
・すぐに剥がれるようなヒビ
でなければ、住むうえで大きな問題になることは少ないです。
それでも、見た目を完璧に保ちたい人には向いていないと言えるでしょう。


デメリット③ 汚れがつくと落としにくい

シラス壁は表面がサラサラしていて、細かい穴がたくさんあります。
この構造のおかげで、消臭や調湿ができるのですが、その分、汚れが入り込みやすいという弱点もあります。

たとえば、

  • 子どもが手で触った黒ずみ
  • 飲み物が跳ねたシミ
  • ペットがこすった汚れ

こうした汚れは、簡単にふき取ることができません。
ゴシゴシこすると、逆に壁を傷めてしまうこともあります。
「汚れたらクロスみたいに張り替えればいい」という感覚でいると、後悔する可能性があります。

対策としては
・汚れやすい場所(廊下・子ども部屋)は避ける
・腰の高さまで別素材にする
など、生活動線を考えた使い方が大切です。


デメリット④ 施工できる職人が限られる

シラス壁は、誰でもきれいに塗れる壁ではありません。
実はここが、あまり語られない重要なポイントです。

経験の少ない職人が施工すると、

  • ムラが出る
  • 表面がザラザラしすぎる
  • ヒビが多くなる

といった仕上がりの差が出やすくなります。

つまり、材料よりも「誰が塗るか」がかなり重要なのです。
しかし、シラス壁を得意としている職人は、地域によっては少なく、工務店やハウスメーカー任せにすると、経験が浅い場合もあります。

事前に
・施工実績の写真を見せてもらう
・「シラス壁は何件くらいやっていますか?」と聞く

この一言だけでも、失敗のリスクは大きく下げられます。


デメリット⑤ 好みがはっきり分かれる

シラス壁は、見た目の好みが分かれやすい壁材です。
自然な風合い、マットな質感、陰影のある表情。
これを「味があって好き」と感じる人もいれば、「地味」「ちょっと古く見える」「モデルハウスっぽくない」と感じる人もいます。

また、照明の当たり方によっては、影が強く出て、想像と違う印象になることもあります。
カタログや小さなサンプルだけで決めてしまうと、「完成してからイメージと違った…」となりがちです。

可能であれば
・実際にシラス壁を使っている家を見る
・大きめの塗りサンプルを確認する
これだけで、後悔の確率はかなり下がります。


それでもシラス壁が向いている人とは?

ここまでデメリットを5つ紹介しましたが、それでもシラス壁がとても合う人もいます。

たとえば、

  • 化学物質をできるだけ避けたい人
  • においや湿気に悩まされている人
  • 多少のヒビや経年変化も「味」と思える人
  • 家を長く大切に使いたい人

こうした考え方の人にとって、シラス壁は満足度の高い選択になります。
大切なのは、「良さそうだから」ではなく、「自分の暮らし方に合っているか」で判断することです。


まとめ:デメリットを知ったうえで選べば後悔しにくい

シラス壁は、決して万人向けの壁材ではありません。
ですが、デメリットを理解したうえで選べば、「やってよかった」と感じる人が多いのも事実です。
家づくりで大切なのは、メリットよりも「許容できるデメリット」を見極めること。

この記事が、あなたの後悔しない選択のヒントになれば幸いです。


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