家の資産価値を高める?シラス壁の長期メリット

2025/10/17(金) シラス壁コラム

はじめに

家は「建てて終わり」ではありません。
年月とともに人が成長し、暮らし方が変わるように、家もまた“時間とともに育つ”ものです。

その中で最近注目を集めているのが、シラス壁という自然素材の壁。
見た目のやさしさだけでなく、「長く暮らすほど価値を感じる」という点で、多くの住まい手から選ばれています。

では、シラス壁が“家の資産価値を高める”とは、どういう意味なのでしょうか?
今回は、短期的な快適さではなく、「長期的なメリット」に焦点を当てて見ていきましょう。


シラス壁は「経年劣化」ではなく「経年美化」

多くの建材は、時間とともに劣化していきます。
クロス(壁紙)は色あせたり、つなぎ目がめくれたり。ビニール系の塗装壁は、汚れがこびりついたり、静電気でホコリを吸ったりします。

一方、シラス壁は時間が経つほどに風合いが深まる素材です。
表面の微細な凹凸が光をやわらかく受け止め、年月とともに自然な陰影が出て、落ち着いた表情を見せてくれます。

実際、国土交通省の研究によれば(「住宅の資産価値に関する研究」(国土交通省国土交通政策研究所)、住宅は入居後急速に資産価値を失う傾向があることが指摘されています。だからこそ、建て始めから「劣化しにくい素材」を選ぶことが、長期的には資産価値を守るポイントになります。

つまり、人工的な「古び方」ではなく、**“使い込むほど味わいが増す”**という経年美化。
これが、シラス壁が“長く価値を保つ素材”といわれる理由のひとつです。


メンテナンスコストを抑えられる

家の価値を下げる大きな要因のひとつが、「維持費の高さ」です。
壁紙の張り替えは10〜15年ごとに必要で、広い家なら数十万円の費用がかかります。

しかし、シラス壁は適切に施工されていれば、塗り替えの頻度が圧倒的に少ないのが特徴です。
素材そのものが呼吸するため、内部に湿気がこもりにくく、カビやはがれの原因を抑えることができます。

また、静電気が起きにくいため、ホコリがつきにくく汚れが目立たない。
軽い汚れなら消しゴムやメラニンスポンジなどで除去できるので、「張り替え」ではなく「手入れ」で長く使えます。

結果として、10年・20年先の維持費が少なくてすむ。これが、資産価値の維持に直結するポイントです。


空気の質が「建物の印象」を変える

家を売るとき、買う人が最初に感じるのは「空気」です。
玄関を開けた瞬間に「気持ちいい」と思えるかどうか。それが、見た目以上に印象を左右します。

シラス壁は、化学物質を使わないため、シックハウス症候群の原因となるVOC(揮発性有機化合物)をほとんど出しません。

また、調湿作用により、湿度が高すぎるときは吸い、乾燥すると放出する。
この自然のバランス調整によって、カビや臭いが発生しにくく、“空気の清潔感”が長く保たれるのです。

実際にモデルハウスや実邸を訪れると、シラス壁の家は空気が澄んでいて、どこか「凛」とした印象があります。
これは設備では作れない価値。**家の“空気の資産”**ともいえる要素です。


環境性能が時代に合っている

今の住宅市場では、「環境性能」や「健康配慮」が重視される傾向があります。
国の基準(ZEH、LCCMなど)でも、省エネ・長寿命・自然素材の活用が評価対象になっています。

シラス壁は、

  • 化学物質を使わない
  • 地元の自然素材で製造できる(輸送エネルギーが少ない)
  • 長寿命でメンテナンスも少ない

といった特長から、**“環境負荷の少ない建材”**として位置づけられています。
これはつまり、将来的に住宅の評価基準が「環境対応度」を重視する流れになっても、シラス壁はその価値を失わないということです。

家の性能が「資産価値」に直結する時代に、シラス壁の存在はまさに“未来に強い素材”と言えるでしょう。


自然素材の家はリセール時にも好印象

中古住宅市場では、「自然素材の家」「健康住宅」というキーワードが人気です。
とくに、子育て世代や共働き世代は、「安心して暮らせる家」を重視する傾向が強まっています。

たとえば内装が化学壁紙よりもシラス壁で仕上げられていれば、「丁寧に建てられた家」「健康を意識した家」という印象を与えます。
これは、数字では表せない感性的な価値ですが、購入を決める最後の一押しになることが多いポイント。

さらに、壁の状態がきれいなまま保たれていれば、リフォーム費用を見込まなくてよいため、**「状態の良い家=資産価値が高い家」**として評価されやすくなります。


長く住むほど“暮らしの質”を支える素材

家の資産価値は、単に「売るときの値段」だけではありません。
日々の快適さや、家族の健康、維持費の少なさ。そうした“暮らしの質”も大切な資産です。

シラス壁のある家は、季節の変化に自然に寄り添いながら、快適な空気環境を保ちます。

湿気に強く、臭いにくく、音がやわらかい。その積み重ねが、家族のストレスを減らし、「長く住みたい」と思える心地よさを生み出します。

結果的に、家そのものの価値が下がりにくくなる——。
それが、**シラス壁の“静かな資産効果”**です。


「目に見えない価値」を選ぶということ

家づくりでは、設備やデザインに目が行きがちですが、本当に大切なのは「目に見えない部分」。

空気の質、手ざわり、湿度のやわらかさ。
こうした“感覚の快適さ”は、住み続けるうちにじわじわと実感する価値です。

シラス壁は、その“見えない快適さ”を支える素材。
長期的に家の状態を保ち、暮らしの満足度を下げないことが、結果として家の価値を高めるのです。


まとめ:未来に残る家を選ぶという考え方

家は、人生の中でいちばん大きな買い物。
同時に、次の世代へ受け継がれていく「資産」でもあります。

その資産をできるだけ良い状態で残したいなら、「長く快適に使える素材」を選ぶことが大切です。
シラス壁は、見た目の美しさだけでなく、時間を味方につける素材。

手をかけるほどに美しく、
使い続けても劣化せず、
家族の健康と空気を守りながら、
家そのものの価値を quietly 高めていく。

——それが、シラス壁の持つ「長期メリット」なのです。