エコな家づくりに最適!シラス壁が環境に優しいワケ

2025/07/31(木) シラス壁コラム


はじめに

最近、「エコ」や「サステナブル(持続可能な)」という言葉をよく耳にしませんか?地球温暖化や自然災害が増える中で、わたしたちの暮らしも、環境にやさしく、健康的に変えていくことが求められています。

そんな中で注目されているのが「シラス壁(しらすかべ)」という自然素材の壁です。耳慣れないかもしれませんが、これは火山の灰からできた土を使って作る壁。見た目は素朴でナチュラル、それでいて驚くほど多機能なんです。

この記事では、中学生でも理解できるようなやさしい言葉で、シラス壁の魅力やエコにつながる理由をご紹介します。


そもそも「シラス」ってなに?

「シラス」という言葉を聞くと、「しらす丼」の小さな魚を思い出す人が多いかもしれません。でも、ここで言う「シラス」は火山の噴火によって生まれた「土」のことなんです。

火山が噴火すると、大量の火山灰や砂、小石などが空から降ってきます。それが長い年月をかけて風化し、さらさらの白っぽい土になったものが「シラス」です。日本の中では、特に鹿児島県や宮崎県など、南九州の地域に多く見られます。

この土はただの「灰」ではなく、湿気を吸ったり吐いたりできる性質を持っていて、実はとっても賢い素材。これを使って壁を作ることで、家の中を自然に快適にしてくれるんです。


シラス壁が“エコ”と言われる理由

湿気を吸って、吐く。まるで呼吸する壁!

梅雨の時期になると、家の中がジメジメして、なんだか気持ち悪いですよね。エアコンや除湿機が手放せない季節です。

でも、シラス壁は「多孔質(たこうしつ)」といって、小さな穴がたくさんある構造をしています。この穴が湿気を自然に吸い込んだり、放出したりしてくれるんです。まるで壁が「呼吸」しているような感じ。

これによって、部屋の中の湿度が自然にコントロールされるので、カビやダニが発生しにくくなります。これは体にもやさしいし、機械に頼らないので、電気代の節約=環境へのやさしさにもつながります。

室内の温度も“ほどよく”キープ

シラス壁には、もうひとつ驚くべき機能があります。それは、熱をやさしく調整する働き。

夏には壁が熱を吸収しすぎず、部屋の温度が上がりにくくなります。冬は壁の中にこもったほんのりとした熱を少しずつ放出して、部屋をあたたかく保ってくれます。

こうした自然の断熱効果があるので、冷暖房の使用を少なくすることができるのです。

においを消してくれる“消臭効果”も!

料理をした後のにおい、ペットのにおい、梅雨どきの湿ったにおい…。気になりますよね。

シラス壁の多孔質な性質は、においの分子もキャッチしてくれるんです。つまり、空気清浄機を使わなくても、壁自体がにおいをやわらげてくれる、ということ。

わたしの知り合いの家庭でも、シラス壁にしてから「夕飯の焼き魚のにおいが翌朝にはスッと消えていた!」と感動していました。


体にやさしい理由とは?

シックハウスの原因をつくらない

最近では、アレルギーやアトピー、頭痛などの原因になる「シックハウス症候群」が問題になっています。その多くは、建材に含まれる化学物質(ホルムアルデヒドなど)によって引き起こされます。

しかし、シラス壁は100%自然素材。接着剤や添加物をほとんど使わずに塗れるため、こうした化学物質の心配がほとんどありません。

とくに小さなお子さんや赤ちゃん、高齢者がいる家庭にはぴったりの選択肢です。

アレルギーにもやさしい素材

湿気やカビ、ホコリはアレルギーの原因になります。でも、シラス壁はそれらを防ぐ性質があるので、アレルギーに悩んでいる方から「空気がきれいに感じる」と好評です。


地域と自然を活かす、地産地消の考え方

シラスは、南九州の広いエリアに大量に存在する地域資源です。

この素材をそのまま使うというのは「地産地消(ちさんちしょう)」、つまり「その土地でとれたものを、その土地で使う」というエコの基本につながります。

また、シラス壁の施工は地域の左官職人(さかんしょくにん)さんたちの手によって行われます。こうした伝統の技術が受け継がれ、地元の経済にもプラスになる。単に「環境にやさしい」というだけではない、地域に根づいた建材なのです。


他の壁材とのちがい

では、ほかの壁材とシラス壁を比べてみましょう。

材料 特徴 デメリット
   ビニールクロス 安くて色やデザインが豊富  化学物質を含み、湿気に弱い
     珪藻土 調湿性がある自然素材  施工に技術が必要
     漆喰 日本の伝統的な自然素材   割れやすく、施工が難しい
    シラス壁 調湿・消臭・断熱にすぐれ、自然由来  材料費がやや高いが長く使える
 

DIYで挑戦する人も増えている

「ちょっと自分でもやってみたいな」と思う方もいるでしょう。

最近では、シラス壁のDIYキットが売られていて、説明書付きで家庭でもチャレンジできるようになっています。コテやハケで塗る作業は、むしろ楽しくて「家族の思い出づくりにもなった」という声もあります。

もちろん、広い範囲や見栄えを気にする部分はプロにお願いするのが安心ですが、トイレや玄関の一角など、小さな場所から始めてみるのもおすすめです。


SDGsにも貢献!

シラス壁は、世界が目指す持続可能な社会「SDGs(エスディージーズ)」にも大きく貢献する素材です。

  • 目標7:エネルギーの効率化(冷暖房の節約)

  • 目標11:住みやすいまちづくり(健康・快適な家)

  • 目標12:つくる責任・つかう責任(自然素材をムダなく使う)

  • 目標13:気候変動対策(CO₂削減)

つまり、シラス壁を選ぶことで、自分だけでなく、社会全体の未来にやさしい選択ができるということです。


まとめ

シラス壁は、見た目のやさしさだけでなく、湿度・温度・におい・空気の質を自然に整える力を持った、まさに「呼吸する壁」。

自然素材だからこそ、健康にやさしく、そして環境にも配慮された暮らしを実現できます。地元の資源を使うことで、地域とのつながりや職人さんの技術も支えることができます。

これから家を建てようと思っている方、リフォームを考えている方、そして「エコ」な暮らしを始めてみたいと思っているすべての人に、シラス壁はとてもおすすめの選択肢です。

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