クロス壁とシラス壁の違い!コスト・耐久性・メンテナンスを比較
はじめに
家を建てるときやリフォームするとき、「壁材(へきざい)」を何にするかって、実はすごく大事なポイントです。
でも、「クロス」だとか「シラス壁」だとか、聞いたことはあっても実際にどう違うのか、よくわからない人も多いと思います。見た目の違いだけではなく、費用、長持ちするかどうか、お手入れの手間など、大きな差があります。
クロス壁ってなに?
クロス壁は、よく見かける「壁紙(かべがみ)」のこと。ビニールでできたシートを、下地の板にぴったり貼りつけてあるものです。
日本の住宅のほとんどで使われていて、色や柄のバリエーションがとにかく豊富。白っぽいものから、木目調、レンガ風、花柄なんかもあって、部屋の雰囲気を気軽に変えられます。
クロス壁のメリット
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安い!
材料も貼る作業もコストが安いので、家の建築費を抑えたい人にはぴったり。壁1㎡あたり1,300円〜2,000円くらいが相場です。 -
施工が早い!
クロスは1日で張り替えられることも多く、工期が短くて済みます。 -
デザインが豊富!
飽きたら別の柄に貼り替えもOK。部屋の模様替えにもぴったりです。
クロス壁のデメリット
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はがれやすい
時間が経つと、端っこがめくれてきたり、継ぎ目が目立ったりします。 -
汚れが落ちにくい
ビニール製とはいえ、長く使うとタバコのヤニや油のシミが取れづらくなります。 -
化学物質に注意
シックハウス症候群の原因になる物質が出ることもあるので、敏感な人や小さいお子さんがいる家庭では要注意です。
シラス壁ってなに?
「シラス」って聞きなれないですよね。これは、鹿児島や宮崎あたりの火山から出た火山灰が何千年もかけてできた自然の土なんです。この「シラス」を使って、左官職人さんが手作業で塗って仕上げたのが「シラス壁」。
見た目はちょっとザラッとしていて、やさしい土っぽい風合いがあります。和風にも合うし、ナチュラルなインテリアとも相性バツグンです。
シラス壁のメリット
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空気がきれいになる!
シラスにはにおいを吸い取る力があり、タバコやペットのにおい、トイレのにおいも軽減してくれます。 -
湿気を調節してくれる
部屋がジメジメしてたら水分を吸い取り、カラカラだったら水分を出してくれる。だから梅雨でも快適! -
自然素材で安心
化学物質がほとんど含まれてないので、赤ちゃんやアレルギー体質の人にも安心です。 -
ほこりがつきにくい
静電気を起こさないから、クロス壁よりもほこりがつきにくいのも嬉しいポイント。
シラス壁のデメリット
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高い!
施工には職人さんの手間がかかるので、1㎡あたり2,500円〜4,000円ほど。クロスより倍くらいします。 -
施工に時間がかかる
塗って乾かす工程があるので、工期は長め。リフォームだと1週間以上かかることも。 -
補修がむずかしい
ひび割れたところだけを直そうとすると、色が合わず目立ちやすいです。
耐久性を比べてみた!
壁材 | 耐久年数 | 特徴 |
---|---|---|
クロス壁 | 約10〜15年 | 張り替え前提で作られているので、定期的なリフォームが必要。キズや汚れが目立ちやすい。 |
シラス壁 | 約20〜30年 | ひびが入っても塗り直しで対応可。色あせもしにくく、長く使える。 |
クロス壁は「消耗品」、シラス壁は「資産」と考えるとわかりやすいです。
メンテナンスのしやすさは?
クロス壁は…
掃除はかんたん。汚れたら水拭きできます。ただ、何年も経つとどうしても張り替えが必要に。
シラス壁は…
基本的に掃除不要。でも、汚れがついたら少し削って直したり、再塗装する必要があることも。補修はプロに頼むのが安心です。
コストをトータルで見たら?
最初の費用だけで見ると、クロスのほうがダントツで安いです。でも、15年おきに貼り替えるとしたら、30年後にはシラス壁の費用に追いつくか、むしろ上回ることもあります。
年数 | クロス壁の累計コスト(目安) | シラス壁の累計コスト(目安) |
---|---|---|
10年 | 約150,000円 | 約250,000円 |
30年 | 約450,000円(3回貼替) | 約250,000円(補修程度) |
※6畳の部屋(壁面約40㎡)で計算
どっちを選べばいいの?
それぞれのライフスタイルによって、選ぶべき壁材は変わってきます。
クロス壁が向いている人
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初期費用をできるだけ安くしたい
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部屋の模様替えをよくする
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引っ越し予定がある(短期間の住まい)
シラス壁が向いている人
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家族の健康に気をつかっている
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においや湿気が気になる
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長く住むつもりで、将来のリフォーム費を抑えたい
まとめ
クロス壁とシラス壁、どちらも一長一短です。
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クロス壁はコスパ重視の人にぴったり。
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シラス壁は空気の質や長期の快適さを大切にしたい人に向いています。
どちらが「正解」ではなく、「あなたにとっての最適」を見つけることが大事です。家づくりやリフォームを考えている人は、ぜひ壁材にもこだわってみてくださいね。
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