シラス壁の耐用年数は何年?長持ちさせるメンテナンス方法
築17年モデルハウス:施工・想創舎 株式会社手嶋組(福岡県)
はじめに
家づくりやリフォームを考えたとき、「シラス壁ってどれくらいもつの?」と疑問に思う人は多いはずです。
シラス壁は自然素材の壁として人気がありますが、コンクリートやビニールクロスとは性質がかなり違います。
そのため、正しい知識がないと「思ったより早く傷んだ」と感じてしまうこともあります。
この記事では、シラス壁の耐用年数を中心に、
・なぜ長持ちすると言われているのか
・逆に、寿命を縮めてしまう原因
・できるだけ長くきれいに使うためのメンテナンス方法
について説明していきます。
そもそもシラス壁ってどんな壁?
「シラス壁」とは、およそ2万5千年前の大噴火によって九州南部に広がる火山噴出物“シラス”という自然素材を使って仕上げる塗り壁です。
ふだん何気なく触れている壁紙とはまったく別物で、人工的な接着剤などを使わず、素材そのものの力を生かしている壁材です。
そして、シラス壁には、
・湿気を吸ったり吐いたりする
・においを吸着する
・抗菌・坑ウィルス効果がある
・燃えにくい
という特徴があります。
このような性質から、シラス壁は「呼吸する壁」とよく言われます。部屋の空気を整えてくれる、ちょっと賢い壁だと思ってください。
シラス壁の耐用年数は何年くらい?
結論から言うと、シラス壁の耐用年数は30年以上※注1と考えられています。
これは、一般的なビニールクロス(約10〜15年)と比べると、かなり長いですよね。
ただし、ここで大切なのは「何もしなくても50年もつ」という意味ではない、ということです。
シラス壁は正しく使えば長持ちする壁なのです。
※注1:シラス壁の発売開始が1999年であり、2026年現在の施工事例の状態から推察。
なぜシラス壁は長持ちしやすいのか
表面だけの壁ではないから
ビニールクロスは、壁紙の表面が劣化すると張り替えが必要になります。
一方、シラス壁は塗り壁なので、塗り付けた厚み分が壁そのものです。
多少の汚れや小さな傷があっても、壁の中身まで一気にダメになることはありません。
② 湿気に強い性質を持っている
湿気は、家を傷める大きな原因です。湿気が多いと、カビが生えたり、下地が腐ったりします。
シラス壁は湿気を吸って、空気が乾くと外に出します。
この働きがあるため、壁の中に湿気がたまりにくく、結果的に長持ちします。
でも寿命が短くなるケースもある
どんなに良い壁でも、使い方が悪いと早く傷みます。
シラス壁も例外ではありません。
水が直接かかる場所
内装用のシラス壁は湿気には強いですが、水をかけ続けるのはNGです。
外壁で雨が直接当たる場所には外装用のシラス壁を使えば、問題ありません。
強くこすったり、ぶつけたりする
シラス壁に限らず塗り壁は、硬そうに見えても、実は表面はデリケートです。
・雑巾でゴシゴシこする
・家具をぶつける
・子どもが物を投げる
こうしたことが続くと、欠けや傷が増えてしまいます。
施工が雑だった場合
実はこれが一番大きな原因です。
下地処理が不十分だったり、職人さんの経験が少なかったりすると、剥がれたり、数年でヒビが入ることもあります。
シラス壁は施工の良し悪しが寿命に直結します。
シラス壁を長持ちさせるメンテナンス方法
「自然素材の壁って、手入れが大変そう」と思うかもしれませんが、実はシラス壁のメンテナンスはとてもシンプルです。
まず、シラス壁は基本的に塗り替えは不要です。
ただし、美観を保つために、内装用・外装用のそれぞれにあった簡単なお手入れ方法があります。
内装用のシラス壁は、ホコリが気になったら、ハタキや乾いた布で軽く払うだけでOK。
外装用のシラス壁は、散水ホースや家庭用高圧洗浄機の水洗いでほとんどの汚れを落とすことができます。
汚れがついたときの対処法
内装のシラス壁についた軽い汚れなら、消しゴムで落とせることもあります。
また、酷い汚れやシミなどは、専用の除菌洗浄剤でほとんど落とせます。それでも落ちない場合は、部分的に塗り直すことも可能です。
小さな傷や欠けは補修できる
シラス壁は、部分補修が可能です。補修用の材料も販売されています。
小さな欠けなら、補修材を使ってDIYで埋めることができます。
全面張り替えが必要なクロスと比べ、長い目で見るとメンテナンス費用は抑えやすいです。
他の壁材と比べたときの考え方
耐用年数だけを見ると、
「シラス壁=永久」
「クロス=短命」
というイメージを持ちがちですが、実際は考え方の違いです。
・クロスはきれいに張り替えて楽しむ壁
・シラス壁は時間と一緒に育てる壁
少しの変化を受け入れられる人ほど、シラス壁の良さを感じやすいです。
シラス壁はこんな人に向いている
・できるだけ長く使える壁がいい
・化学物質が少ない家に住みたい
・家を「消耗品」ではなく「育てるもの」と考えたい
もしひとつでも当てはまるなら、シラス壁は良い選択肢になります。
まとめ:シラス壁の耐用年数は「使い方次第」
シラス壁の耐用年数は、一般的に30年以上。
しかしこれは、
・正しい施工
・無理をしない使い方
・最低限の気配り
この3つがそろった場合です。
特別なメンテナンスは必要ありません。むしろ、「しすぎない」が一番の長持ちのコツです。
時間とともに少しずつ表情が変わるシラス壁は、家と一緒に歳を重ねていく存在とも言えます。
「長く付き合える壁を選びたい」そう考えている人にとって、シラス壁はとても魅力的な選択肢です。
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