壁材で冷暖房効率アップ!シラス壁の断熱効果を検証
はじめに
「夏はクーラーをつけてもすぐ暑くなる」「冬は暖房を消すと寒い」
そう感じたことはありませんか?
エアコンの性能ばかり気にしてしまいがちですが、実は“家の壁”が、冷暖房の効率に大きく関わっているって知っていますか?
今回は、自然素材の壁材として注目されている「シラス壁(しらすかべ)」にスポットを当てて、**本当に冷暖房効率がアップするのか?断熱効果はあるのか?**を、わかりやすく、ちょっと本音で検証してみたいと思います。
シラス壁ってそもそも何?
シラス壁の“シラス”とは、「白洲(しらす)」という火山から出た細かい灰や砂のような自然素材のこと。九州南部に多くあり、地元では古くから使われてきました。
これを原料にした壁材が「シラス壁」。いわゆる“塗り壁”の一種です。
シラス壁の特徴って?
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自然素材で化学物質を含まない
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湿気を吸ったり出したりして、部屋の空気を整える
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においを分解する効果がある(消臭)
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多孔質(目に見えない小さな穴がいっぱい)で、呼吸するような壁
これらの特徴が組み合わさって、空気がなんとなく気持ちいい部屋ができるんです。
シラス壁に断熱効果はあるの?
さて本題です。
シラス壁は「空気がきれい」「湿気がちょうどいい」という話はよく聞きますが、「断熱」に関してはあまり語られていません。
でも、実際は…
◎ 断熱効果、あります!
ただし、少しだけ注意が必要です。
“断熱材”と同じように「熱を完全に遮る」わけではありませんが、熱の伝わり方をやわらげる効果はしっかりあります。
では、そのしくみを簡単に説明していきます。
どうしてシラス壁に断熱効果があるの?
1. 「多孔質」がポイント
シラス壁の一番の特徴は「多孔質」という構造。
これは、壁の中にとても細かい穴がたくさん空いている状態です。
この穴が空気の層のような役割をして、外の熱や冷気が壁を通して中に入りにくくしてくれるんです。
たとえるなら、ダウンジャケットの中に空気が入っているようなもの。
空気の層があることで、外の気温が体に伝わりにくくなるのと同じです。
2. 湿度を整える=体感温度も変わる
「暑い」「寒い」と感じるのは、温度だけでなく湿度にも関係しています。
例えば夏、同じ30℃でも湿度が高いと蒸し暑く感じますよね。
逆に冬、湿度が低いと乾燥して寒く感じたりします。
シラス壁は、部屋の空気の湿気を吸ったり、逆に出したりして湿度を自動で調整してくれるため、体が感じる温度が快適になるんです。
3. 外気の影響をゆるやかにする
シラス壁は、表面がマット(ツヤ消し)で、色も明るめのものが多いです。
これが日差しの熱を反射しやすく、夏の暑さを壁の表面でやわらげてくれる効果も。
つまり、直射日光による急激な室温上昇をゆるやかにしてくれるのです。
実際のデータや体験談は?
「でも、ホントに体感で変わるの?」
そう思う人もいるかもしれません。
いくつかの実例をご紹介します。
実験①:普通の壁 vs. シラス壁
ある住宅メーカーの実験で、同じ広さの2つの部屋にそれぞれ、
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一般的なビニールクロスの壁
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シラス壁(厚み2mm程度)
を使って冷房をかけて比較。
結果は…
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シラス壁の部屋の方が冷房の効きが早く、室温も1~2℃低くキープできた
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エアコンの設定温度を高くしても、体感温度はちょうどよく感じた
という結果に。
体験談:光熱費が下がった!
実際にシラス壁を寝室やリビングに使っている家庭では、
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「冷房の効きがよくなって、夏の電気代が月に1,500円くらい下がった」
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「冬は朝までエアコンをつけなくても寒くなりにくい」
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「子ども部屋に使ったら、風邪をひきにくくなった気がする」
といった声もあります。
もちろん家の構造や地域によって違いはありますが、体感としての「冷えすぎない・暑すぎない」は、多くの人が実感しているようです。
他の壁材と比べてどう?
壁材 | 断熱性 | 調湿性 | 消臭性 | 特徴 |
---|---|---|---|---|
ビニールクロス | ✕ | ✕ | ✕ | 安価・デザイン豊富だが機能性は低い |
珪藻土壁 | ◯ | ◎ | ◯ | 湿度対策には◎、価格や施工に注意 |
漆喰壁 | △ | ◯ | △ | ナチュラルな見た目。吸湿性は弱め |
シラス壁 | ◎ | ◎ | ◎ | 断熱・消臭・調湿のバランスが良い |
シラス壁はどうやって取り入れる?
持ち家なら
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壁全面に塗る
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子ども部屋や寝室の1面だけ塗る(アクセントウォール)
DIYも可能!
シラス壁のDIYキット(練った状態で届く)を使えば、初心者でもチャレンジできます。
賃貸でもOKな方法は?
最近は「貼ってはがせるシラス壁風パネル」や「置き型の調湿ボード」も登場しています。
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ベッドの横や玄関に立てかけるだけでOK
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冷暖房の風が当たるところに置くと効果的
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デザイン性も高く、インテリアとしてもおしゃれ
まとめ:壁材で変わる、冷暖房の効率と暮らしの質
最後に、大事なポイントをおさらいしましょう。
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シラス壁は自然素材で、人にも環境にもやさしい
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多孔質構造によって、熱の伝わりをやわらげる断熱効果がある
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湿度調整も得意なので、体感温度が快適に保たれやすい
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実際に使っている人たちの声でも、「エアコン効率が良くなった」という実感あり
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賃貸でも取り入れやすい方法がある!
「暑さ・寒さの悩み=エアコンのせい」と思いがちですが、実は壁材を変えるだけで、暮らしがぐっと快適になることもあるんです。
見た目だけじゃない、機能性のある壁。
もしこれからリフォームや模様替えを考えているなら、シラス壁、ちょっと候補に入れてみてはいかがでしょうか?
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