壁材で冷暖房効率アップ!シラス壁の断熱効果を検証
エアコンの効きが悪いのは、もしかして「壁」のせい?
暑い夏、どれだけエアコンをつけても部屋がなかなか冷えない。
寒い冬、暖房をつけてもすぐに足元が冷たくなる。
そんな経験、ありませんか?
「エアコンが古いのかな?」と思いがちですが、実は家の壁材が原因になっていることもあるんです。
壁は、家の中と外を隔てる大事なバリア。
この壁の性能しだいで、部屋の温度の“保ちやすさ”がガラッと変わります。
今回は、自然素材「シラス」を使ったシラス壁が、どれだけ冷暖房効率を上げてくれるのか?
断熱の仕組みとともに、分かりやすくご紹介していきます。
「断熱」ってなに? まずはカンタンにおさらい
そもそも「断熱」とはなんでしょう?
簡単にいうと、「外の暑さや寒さを、家の中に伝えにくくすること」です。
たとえば、魔法びんのように、外が熱くても中の冷たい飲み物は冷たいまま。
逆に、温かい飲み物もずっとホカホカ。これが断熱の力です。
家においても同じで、断熱がしっかりしていれば…
- 夏は外の熱をはね返して、部屋の涼しさをキープ
- 冬は外の冷気を遮って、暖房のぬくもりを閉じ込める
つまり、エアコンや暖房の効きがよくなり、電気代もグッと節約できるというわけです。
シラス壁はなぜ「断熱」に強いのか?
「自然素材なのに、断熱性能が高いって本当?」
そう思う人も多いでしょう。
実は、シラスという素材には、断熱につながる特別な特徴がいくつもあるんです。
ポイント①:中がスカスカな“多孔質”構造
シラスは、火山の噴火によってできた細かい粒の土。
この土の中には、無数の小さな穴(気泡)があります。
この構造を「多孔質(たこうしつ)」といい、空気をたくさん含むことで、熱を伝えにくくする効果があるんです。
たとえば、ダウンジャケットが暖かいのも、羽毛の間に空気があるから。
それと同じで、シラス壁にも空気の断熱材が詰まっているイメージです。
ポイント②:調湿性能との合わせ技
シラス壁は、空気中の水分を調整するチカラ(調湿性)もあります。
夏のじめじめや、冬の乾燥を防いでくれるというメリットもありますが、実はこれも間接的に断熱性能を高める要因になっているんです。
湿度が高いと、体感温度は上がります。逆に乾燥しすぎると寒く感じます。
シラス壁は室内の湿度をコントロールすることで、体感温度の快適ゾーンを保ちやすくするという面でも冷暖房効率に貢献しているのです。
実験データで見る、シラス壁の断熱性能
ここからは、より具体的にその効果を見ていきましょう。
高千穂シラス株式会社による実験では、以下のような結果が出ています。
実験条件(簡易再現):
- 同じ広さ・構造の部屋を2つ用意(片方はシラス壁、もう片方は一般の壁材)
- 夏場、午前中から太陽光を当て、室温の上昇を測定
実験結果:
- 一般壁材の部屋:13時時点で室温35.1℃
- シラス壁の部屋:同時刻で室温31.2℃
つまり、約4℃の差がついたことになります。
エアコンの設定温度が1〜2℃違うだけでも電気代は大きく変わるため、これはかなり大きな違いです。
また、冬場の保温テストでも、シラス壁の部屋は暖房を止めた後の室温低下が緩やかだったとの報告があります。
これは、壁が外気の冷たさをブロックしつつ、室内のぬくもりをじんわりキープしてくれている証拠です。
シラス壁の「断熱効果」はエコな未来につながる
冷暖房の効きがよくなると、電気代が安くなるだけじゃありません。
エネルギーの使用を減らせるということは、CO₂の排出を抑えることにもつながります。
つまり、シラス壁は家計にやさしいだけじゃなく、地球にもやさしいということ。
「壁を変えるだけで、地球温暖化対策にもなる」
ちょっと信じられないかもしれませんが、家のつくりを変えることは、未来の環境を変える一歩でもあるんです。
まとめ:壁材が変われば、暮らしも変わる
シラス壁は、見た目のやさしさや、空気のきれいさだけでなく、冷暖房効率を高める“断熱力”という隠れた魅力を持っています。
家の中の快適さは、ほんの少しの選択で大きく変わります。
特別な機械やハイテク装置に頼らなくても、素材の力だけで快適と省エネを両立できる──それが、シラス壁の魅力です。
もしこれから家を建てる予定があるなら、あるいはリフォームや壁の塗り替えを考えているなら、
この“静かな断熱材”の力を、ぜひ一度体験してみてください。
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