和と洋をつなぐ壁材!シラス壁でつくるハイブリッドな住まい

2025/09/22(月) シラス壁コラム


はじめに

家づくりを考えるとき、「和」の雰囲気が好きな人もいれば、「洋」のスタイルが好きな人もいて、両方をうまく取り入れたいという気持ちになる人も多いです。そこで登場するのが「シラス壁」。この自然素材の壁材は、和のぬくもりと洋のモダンさを掛け合わせる「ハイブリッド」な住まいにぴったり。シラス壁がどう和洋をつなげるのか、一緒に見ていきましょう。


“和”と“洋”ってなに?そして“ハイブリッドな住まい”とは?

まず、「和」と「洋」という言葉を確認しましょう。

  • 和の家:たとえば畳、ふすま(障子)、木の柱、土壁、壁に塗られた漆喰など、昔からの日本の家で使われる素材やデザインです。「落ち着く」「自然なぬくもり」といった印象があります。

  • 洋の家:たとえばフローリング、ビニールクロス、ペンキ仕上げ、コンクリート調やシンプルモダンなデザインなど、海外のスタイルやモダンデザインを取り入れたもの。直線や白を基調とする空間などが多いです。

「ハイブリッドな住まい」というのは、この両方をバランスよく組み合わせた家のこと。たとえば「和室にちょっとモダンな照明をつけたい」「リビングはフローリングだけど、壁には自然素材の風合いがほしい」など、自由にミックスするスタイルです。


シラス壁とは?その基本

「シラス壁」とは、シラス壁の「シラス」とは、2万5千年前、現在の鹿児島湾北部を火口とする姶良カルデラの大噴火によって発生した火砕流が堆積したものです。自然の素材で、ざらざら/さらさらした質感があります。

  • 湿気を吸ったり吐いたりする「調湿性」がある。
  • においや有害物質を吸着・分解する力がある。
  • 自然素材なので、化学物質を含まず、健康にやさしい。
  • 手触りや見た目に温かみがある。

このような特徴があるので、「和のやわらかさ」と「洋のきれいさ」の両方をかなえる素材として、注目されています。


和と洋をつなぐ、シラス壁の魅力

①見た目のなじみやすさ

シラス壁は白っぽいベージュや淡い灰色で、自然の土の色。どんなインテリアにもなじみやすいのが強みです。

  • 和の部屋:畳や木の柱ともなじみ、「自然な伝統的な感じ」を壊さず、むしろやさしくつなげます。
  • 洋の部屋:シンプルで清潔感のある白い壁やコンクリート風の床とも合うので、古さを感じさせず、むしろモダンな印象を引き立ててくれます。

つまり、「どちらにも合わせられる」“懐が広い素材”なのです。

②触り心地と空気感が両方の良さを引き出す

和の世界は触り心地や空気感が大切にされます。シラス壁のざらっとした触感は、木や畳と合わせると自然な温かさを感じさせます。一方、洋のシャープでクールなインテリアでも、ざらつきのある壁がやわらかなアクセントになります。

③調湿とにおい対策で快適さを両立

和の暮らしでは、木や畳の香り、自然なにおいを大事にします。洋の生活では料理やエアコンのにおいも気になります。シラス壁は、湿気・におい・空気を整える働きがあるので、家全体の快適さに寄与します。「自然な空気」と「すっきりした空気」の両方を、無理なく実現してくれます。

④化学物質を減らして安全性をプラス

和では昔から土や木を使っていたので、化学物質の使用は少なめでした。洋の家では、接着剤や合板、塗料などがたくさん使われます。シラス壁を使うことで、化学物質を減らし、特に子どもやアレルギー持ちの人にもやさしい空間にできます。


具体的な「和×洋/ハイブリッド」デザイン例

ここからは、具体的にどうシラス壁を使うか、アイデアを紹介します。

A. リビングに和のパーツを

  • 畳コーナー+シラス壁
    リビングの一部を畳にして、その背面の壁をシラスに。和の安らぎを感じながらも、ソファやテーブルなど洋の家具とも違和感なく合わせられます。

  • 障子風の引き戸+シラス壁
    部屋を間仕切る障子風の引き戸の向こうに、シラス壁を背景として置く。光が透けて自然な陰影(いんえい)ができ、和の雅さと洋の光の使い方が融合します。

B. 洋室に和のアクセント

  • フローリングの洋室にシラス壁の一面
    他の壁は白いクロスやペンキ仕上げ、1面だけシラスにすると「ここが特別な場所」になります。心が落ち着く空間として、読書や居間のくつろぎスペースにぴったり。
  • 廊下や階段に和風のディテールを+シラス壁
    階段の側面や廊下の一角に、和風の細い木の格子パネルとシラス壁を組み合わせると、普通の洋の家がちょっとだけ品のある和の雰囲気になります。

C. 自然素材の組み合わせで「和モダン」な空間を

  • 梁や柱を現しにして、壁はシラス
    木の梁や柱が見えるところに、シラス壁を合わせると、伝統的な和の構造が感じられます。それと同時に、壁がモダンでやさしい印象を与えるので、古さと新しさのバランスがいい「和モダン」になります。
  • 自然石タイル+シラス壁の組み合わせ
    床やキッチンの一部に自然石タイルを使いつつ、壁をシラスにすると「土と石」の組み合わせで自然を感じるインテリアに。和と洋、お互いの良さが強調されます。

D. カラーで和と洋の調和をつくる

  • 和の色合いを淡く取り入れる
    薄緑、茶色、薄紫など、和の伝統色(たとえば若草色、柿色、藤色など)に着色されたシラス壁で、洋の明るい空間でも浮かずに溶け込む壁にする。
  • 洋のパステルカラーと和の素材感のミックス
    パステルブルーや淡いグレーのシラス壁に、木の細工や和の柄のクッション・家具を置く。色は洋風、素材感は和風、というミックスができます。

ハイブリッド住まいで気をつけたいこと

いいことが多いシラス壁ですが、ハイブリッドな設計にするなら、次のような点に注意しましょう。

①コストと施工期間

シラス壁は塗り方や厚みで費用が変わります。和風ディテールと合わせて凝ったデザインにすると、価格や時間も上がります。優先順位をつけて、予算と相談しながら進めましょう。

②職人の技と下地調整

和・洋の素材が混ざるデザインは施工が難しくなることがあります。特に鴨居や梁とのつながり部分は、下地がしっかりしていないと壁がひび割れしやすくなります。経験ある職人を選ぶことが大切です。

③メンテナンス性

シラス壁は汚れやすい部分があるので、汚れやすい場所は別の素材を組み合わせることで、お手入れがしやくすくなります。


ちょっと違う視点

インテリア雑誌などではよく「和モダン」「自然素材」などの言葉で紹介されますが、ここではちょっと違う視点を紹介します。

A. 「季節で壁の表情が変わる」設計

シラス壁は光や照明によって見え方が変わります。春は明るく、秋は夕日が当たると黄金色に、冬は乾燥して少しざらついて見える……そんな季節ごとの表情に注目して、デザインすることで、家が“時間とともに変化するもの”としてより愛おしく感じられます。

B. 「声・音の響き」にこだわる空間づくり

シラス壁には音をほどよく吸収・反射する性質があるため、家の中で話した声や足音の響きが心地よくなるよう、壁材の厚みや配置を調整してみると、子どもの声が遊ぶ音がやさしい空間がつくれます。

C. 「地域とのつながり」を意識する住まい

自分の住んでいる地域の素材(例えば、和紙、自然塗料など)と組み合わせたり、地域の色を壁に取り入れたりすることで、そこにしかない“ハイブリッドな家”がつくれます。その土地ならではの自然素材と「和」「洋」の感性をミックスすることで、オリジナリティが生まれます。


まとめ:シラス壁でつくるあなたの「和と洋のハイブリッド」住まい

シラス壁は、和の自然素材のやさしさと洋のモダンな美しさをつなげる、とても素敵な素材です。見た目も手触りも空気感も、どちらの魅力もほどよく取り入れられます。

  • 和室と洋室を自然につなぐ、畳+シラス壁のデザイン
  • 洋のフローリングに自然素材の壁をアクセントとして加える
  • 季節や音の響き、地域性まで考慮したハイブリッド設計

これらの工夫を通じて、「ただの和モダン」ではない、「あなたらしい」「その家らしい」デザインが生まれます。

家づくりに大切なのは、「どのように住みたいか」「どんな雰囲気が好きか」「どんな暮らし方をしたいか」を考えることです。シラス壁を使うことで、和の心地よさと洋の洗練をバランスよく取り入れた、優しい空間がつくれます。

もし将来、自分の家をつくるときやリフォームをするなら、ぜひこの「和と洋をつなぐ壁材 シラス壁」で、あなただけのハイブリッドな住まいを考えてみてください。自然の素材が、あなたの暮らしをすこし特別にしてくれるはずです。


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