保護猫カフェ併設のゲストハウスをDIY施工

東京都板橋区

カテゴリ|非住宅建築物

ゆっくりと散歩がしたくなるようなどこか下町風情が残る住宅街の一角。何だか視線を感じるなと振り返った先に、大きなガラス窓からじっと外を見ている猫たちが。思わず声のトーンがあがってしまう可愛さ。これが本当の「招き猫」なのかもしれません。

様々な事情で住む場所がなくなってしまった猫を保護し、新しい飼い主さんとのご縁をつなぐ里親募集型 保護猫カフェ併設のゲストハウス「CAT'S INN TOKYO(キャッツイン東京)」にシラス壁をDIY施工いただきました。

店内には猫が好みそうな高い位置にもキャットウォークが設置されている

写真1)店内には猫が好みそうな高い位置にもキャットウォークが設置されている。気がづけば上からこんな風に観察されている。

ペットと一緒に暮らす際の気になる事は、やはり”ペット臭・トイレ臭”ではないでしょうか。そんなお悩みをシラス壁で解消されたオーナー藍様。「ご来店になったお客様からは、”なぜニオイがしないのか?”と聞かれます。シラス壁の消臭効果のおかげだと思います。」

路面に大きなガラス窓が配されていて、外を眺めることが大好きな猫には最適

写真2)路面に大きなガラス窓が配されていて、外を眺めることが大好きな猫には最適。店内の壁は、全面シラス壁。スタッフの方々やお友達でDIYされました。弊社からは、材料の攪拌方法やコテの塗りつけ方など技術指導をさせていただきました。

「完全室内飼育の猫たちは、住む環境を自分で選べません。だからなるべく室内の環境を整えてあげたいと思っています。店内で使うものは、自然素材にしたくてシラス壁にしました。」と藍様。キャットウォークなど木製の造作部分も、皆さんで蜜蝋を塗ったのだとか。「シラス壁の消臭効果は、ニオイの悩みから解放してくれるので、ペット飼育には最適な建材だと思います。また、空気清浄機能でいつも室内がスッキリしていると感じます。お客様からニオイについてご質問を受けた際には、いつもシラス壁をお勧めしています。」

窓下には、猫トイレが用意されていて丸い穴から出入りするように。

写真3)窓下には、猫トイレが用意されていて丸い穴から出入りするように。トイレの壁にも、シラス壁を全面に塗っていただきました。猫砂には天然の間伐ひのき材を使用した木質ペレットを採用。抗菌・消臭効果がある天然素材であるため、シラス壁との相性が良いとのこと。※1

またキャッツイン東京では、保護猫を引き取って生活を始める前に、必ずトライアルというお試し期間(2〜3週間)を設け、里親さんのご家庭や先住ペットとの相性を見てもらうのだとか。しかしトライアル先で、文字通り「借りてきた猫」状態になってしまうことも。そのため、併設のゲストハウスに宿泊して猫との暮らしを学ぶ「里親研修」も用意されています。猫が慣れた環境で伸び伸びと生活している状態から、本来もっている性格を知ることができるだけでなく、初めて猫と暮らす人にとっては心の準備や猫のいる暮らしのシミュレーションができます。

子猫から成猫まで、元気いっぱいの猫たち。

写真4)子猫から成猫まで、元気いっぱいの猫たち。「さぞかし壁は引っ掻き傷で、、と思われるかもしれませんが、今のところシラス壁で爪研ぎはされていません。硬いシラス壁は、爪を研ぎたくなる素材ではないのでしょうね。」とのこと。

シラス内装材「ビオセラ」

写真5)シラス内装材「ビオセラ」(BC-50、コテの目仕上げ 他)をご採用いただきました。

猫との生活経験のない方や、保護猫についての知識がない方にも、猫とのより良い関係を築くためのレクチャーを随時開催中。すでに会員数は200名以上に達し、毎日いらっしゃる常連の方も。また、猫が引き取れなくても、お気に入りの猫の「フォスターペアレント」になることもできます。この制度は月額5千円を寄付することで、キャッツイン東京にいるいずれかの猫の養父母になり、保護猫の生活を支えるというもの。フォスターペアレントになると、フォスターチャイルドとなった猫のポストカードがもらえるなど、様々な特典があるそうです。

保護猫たちは、カフェを訪れるお客様=遊んでくれるいい人というイメージを持つようになり、安心して懐くようになるのだとか。

写真6)保護猫たちは、カフェを訪れるお客様=遊んでくれるいい人というイメージを持つようになり、安心して懐くようになるのだとか。

「猫を飼うということは、食事の準備から掃除など大変なこともたくさんあります。でも、ちょっとした工夫や扱う建材、アイテムによって解決することもできる。それをご紹介していくことがここを運営する役割かと思います。今後は専門家を招いたセミナーや勉強会なども企画していく予定です。」と語る藍様。猫との生活をより楽しく、より快適にするためのアイディアは尽きることはありません。

エントランスには、猫たちが誤って外に出てしまわないように二重扉になっています。

写真7)エントランスには、猫たちが誤って外に出てしまわないように二重扉になっています。またキャットウォークやタワーにはオイルやペンキを使うのではなく、猫が舐めても安全な蜜蝋を塗って仕上げているのだそう。細部にわたって猫との生活を楽しむ工夫がいっぱいです。

 ※1 ヒノキの間材材ペレットは、店頭でも購入いただけます。詳しくはキャッツイン東京までお問い合わせください。

CAT'S INN TOKYO(キャッツイン東京)
東京都板橋区宮本町52-2-1F
※地下鉄都営三田線 板橋本町駅下車 徒歩7分

TEL 050-5278-0663
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