インナーパティオのある家

富山県富山市

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「建築は、敷地があり、クライアントの想いがあり、そしてそこを使う人が居てはじめて成り立つもので、決して設計者の『作品』ではありません。そのような考えから、クライアントとの対話を大切にし、住まい手の気持ちや行動、生活の機微にしっかりと気を配った設計を心掛けています。そこから生まれる建築空間は人に圧倒的な驚きを与えるものではなく、なんとも居心地が良く、人の身体にフィットするような特別感のあるものになります。そんなつくる側も使う側も『自分らしい自然体』で居られる建築を理想としています。」
と語られるのは、「インナーパティオにある家」を設計・監理された富山市の荒井好一郎建築設計室の代表・荒井好一郎氏。

外観:外壁/スーパー白洲そとん壁W(W126・かき落とし仕上げ)

外観:外壁/スーパー白洲そとん壁W(W126・かき落とし仕上げ)

 

この住まいには、富山県産の木材、紙、絹、石、国産イ草、そしてイタリア産のヴィンテージ調タイルなどを使用しており、空間に合わせた素材の選択に拘った住まいとなっています。また、素材だけでなく木製サッシ、鎖樋、建具金物など富山の産業技術によって生産された製品も積極的に使用しており「MADE IN TOYAMA」「地産地消」を強く打ち出した建物になっています。
内部空間はインナーパティオと名づけた「ナカドマ空間」を中心に各室が緩やかにつながる構成となっており、日本に昔からある「土間」を現代的な寛ぎ空間として表現しています。
自然素材を基本として使用した外部・内部は共に素材と空間の調和が大きなテーマとなっています。

 

ナカドマ空間「インナーパティオ」からの眺め

ナカドマ空間「インナーパティオ」からの眺め

スーパー白洲そとん壁Wをご採用された経緯をお聞きしたところ、
「友人の建築士の自邸に使用されていたのを見て質感が良いなと感じており、防水性能の考え方も特徴があることを知りました。本物件ではクライアントより『なるべくメンテナンスのいらないもの』、『サイディングより左官仕上げ」、『カビや藻のはえにくいもの』というような条件を外壁において与えられており、そとん壁が適してるのではないかと思い提案しました。」
と教えていただきました。

インナーパティオの外側

インナーパティオの外側

荒井氏に実際にスーパー白洲そとん壁をお使いになった感想をお聞きしたところ、
「遠目でも伝わってくる掻き落しの質感、目地なしで得られる壁のボリューム感、微細なクラックの目立ちにくさ(特に掻き落しだから)が気に入っている点です。
デメリットは、やはり施工時の気温や風などの気象条件、施工者の施工の仕方によって白華や色むらなどの不具合が出やすいことです。ただ、このデメリットに関してはそとん壁だけでなく湿式の左官仕上げ全般に言えるなので、そういう部分の気遣いやひと手間が必要だという事は特徴でありデメリットではないのかもしれません。
無垢材の反る、割れる、縮むというのをどう捉えるか、ということと似ている気がします。」
と、お話しくださいました。

どの角度から見ても凛として美しい佇まい

どの角度から見ても凛として美しい佇まい

<設計・監理>
荒井好一郎建築設計室 一級建築士事務所
代表者 荒井 好一郎(管理建築士、一級建築士)
所在地 〒939-3506 富山県富山市水橋辻ヶ堂 262-1
TEL 090-2628-6835
FAX 076-471-7679
HP  http://arai-arch.net