シラス壁のデメリット5選!導入前に知っておきたい注意点

内装:白洲漆喰/施工:株式会社佐保建設(岡山県)
はじめに
「シラス壁って体に良さそう」「自然素材でおしゃれ」そんなイメージから、シラス壁を検討する人は年々増えています。
たしかに、シラス壁は消臭効果や調湿効果があり、化学物質も使わないため、健康を気にする人には魅力的な素材です。
しかし、良いところばかりを見て決めてしまうと、後から「こんなはずじゃなかった…」と後悔することもあります。
この記事では、シラス壁を実際に検討・採用した人の声をもとに、導入前に必ず知っておきたいデメリットを5つ紹介します。
メリットだけでなくデメリットも理解したうえで、本当に自分の家に合うかどうか判断する材料にしてください。
デメリット① 思っているより費用が高い
シラス壁の最初の壁は、価格の高さです。
一般的なビニールクロスと比べると、シラス壁は材料費も施工費も高くなります。
理由はシンプルで、職人さんが手作業で塗る壁だからです。
クロスは貼るだけですが、シラス壁は、
- 下地処理
- 塗りつけ
- 仕上げ
- 乾燥
と工程が多く、時間も手間もかかります。そのため、「けっこう高い」と感じる人も少なくありません。
特に、家全体をシラス壁にすると、予算オーバーになるケースもあります。
対策としては
・リビングだけ
・寝室だけ
など、場所を限定して使うのも一つの方法です。
デメリット② ヒビ(クラック)が入りやすい
シラス壁は自然素材のため、ヒビが入りやすいという特徴があります。
これは欠陥というより、素材の性質に近いものです。
家は建てたあとも、
- 木が乾燥して縮む
- 地震や振動が起きる
- 気温や湿度が変わる
と、少しずつ動いています。
ビニールクロスは柔らかいので動きに対応できますが、シラス壁は硬いため、その動きについていけず、細いヒビが入ることがあります。「せっかくきれいに仕上げたのに…」と気になる人には、これは大きなストレスになるかもしれません。
ただし、
・構造に問題があるような危険なヒビ
・すぐに剥がれるようなヒビ
でなければ、住むうえで大きな問題になることは少ないです。
それでも、見た目を完璧に保ちたい人には向いていないと言えるでしょう。
デメリット③ 汚れがつくと落としにくい
シラス壁は表面がサラサラしていて、細かい穴がたくさんあります。
この構造のおかげで、消臭や調湿ができるのですが、その分、汚れが入り込みやすいという弱点もあります。
たとえば、
- 子どもが手で触った黒ずみ
- 飲み物が跳ねたシミ
- ペットがこすった汚れ
こうした汚れは、簡単にふき取ることができません。
ゴシゴシこすると、逆に壁を傷めてしまうこともあります。
「汚れたらクロスみたいに張り替えればいい」という感覚でいると、後悔する可能性があります。
対策としては
・汚れやすい場所(廊下・子ども部屋)は避ける
・腰の高さまで別素材にする
など、生活動線を考えた使い方が大切です。
デメリット④ 施工できる職人が限られる
シラス壁は、誰でもきれいに塗れる壁ではありません。
実はここが、あまり語られない重要なポイントです。
経験の少ない職人が施工すると、
- ムラが出る
- 表面がザラザラしすぎる
- ヒビが多くなる
といった仕上がりの差が出やすくなります。
つまり、材料よりも「誰が塗るか」がかなり重要なのです。
しかし、シラス壁を得意としている職人は、地域によっては少なく、工務店やハウスメーカー任せにすると、経験が浅い場合もあります。
事前に
・施工実績の写真を見せてもらう
・「シラス壁は何件くらいやっていますか?」と聞く
この一言だけでも、失敗のリスクは大きく下げられます。
デメリット⑤ 好みがはっきり分かれる
シラス壁は、見た目の好みが分かれやすい壁材です。
自然な風合い、マットな質感、陰影のある表情。
これを「味があって好き」と感じる人もいれば、「地味」「ちょっと古く見える」「モデルハウスっぽくない」と感じる人もいます。
また、照明の当たり方によっては、影が強く出て、想像と違う印象になることもあります。
カタログや小さなサンプルだけで決めてしまうと、「完成してからイメージと違った…」となりがちです。
可能であれば
・実際にシラス壁を使っている家を見る
・大きめの塗りサンプルを確認する
これだけで、後悔の確率はかなり下がります。
それでもシラス壁が向いている人とは?
ここまでデメリットを5つ紹介しましたが、それでもシラス壁がとても合う人もいます。
たとえば、
- 化学物質をできるだけ避けたい人
- においや湿気に悩まされている人
- 多少のヒビや経年変化も「味」と思える人
- 家を長く大切に使いたい人
こうした考え方の人にとって、シラス壁は満足度の高い選択になります。
大切なのは、「良さそうだから」ではなく、「自分の暮らし方に合っているか」で判断することです。
まとめ:デメリットを知ったうえで選べば後悔しにくい
シラス壁は、決して万人向けの壁材ではありません。
ですが、デメリットを理解したうえで選べば、「やってよかった」と感じる人が多いのも事実です。
家づくりで大切なのは、メリットよりも「許容できるデメリット」を見極めること。
この記事が、あなたの後悔しない選択のヒントになれば幸いです。
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