素材の選び方で変わるリフォーム周期

2026/04/15(水) シラス壁コラム

はじめに

家は、一度つくったら終わりではありません。
年月がたてば、どこかに手を入れる時期がやってきます。これが「リフォーム」です。

ただ、このリフォームのタイミングは、どの家でも同じではありません。
10年ほどで手直しが必要になる家もあれば、もっと長い時間、ほとんど手を入れずに快適に暮らしている家もあります。
この違いは、どこから生まれるのでしょうか。

実は大きな理由のひとつが、最初に選んだ素材です。
そして、その素材は室内だけでなく、家の外側も含めて考えることがとても大切になります。

この記事では、内装と外装の両方の視点から、素材選びとリフォーム周期の関係について考えていきます。


内装のリフォームは気づきやすい

リフォームと聞くと、多くの人が思い浮かべるのは室内の工事ではないでしょうか。
たとえば、

  • 壁紙が汚れてきた
  • においが気になる
  • カビが出てきた
  • 傷が目立ってきた

こうした変化は、毎日見ている場所だからこそ気づきやすいものです。
特に多くの住宅で使われているビニールクロスは、見た目がきれいで施工もしやすい反面、年月がたつと少しずつ変化が出てきます。
たとえば、

  • 黄ばみが出る
  • 継ぎ目が目立つ
  • 湿気がこもりやすくなる

こうした変化が重なると、「そろそろ張り替え時かな」と感じるようになります。
多くの場合、5年から10年ほどで張り替えを考える家庭も少なくありません。
このように、内装の変化は目で見えるため、判断しやすいという特徴があります。


外装は「気づきにくい場所」

一方で、見落とされやすいのが外装です。

外装とは、外壁や外側の仕上げ部分のことを指します。毎日見ているようで、実は細かい変化には気づきにくい場所でもあります。
しかし外装は、家の中で最も過酷な環境にさらされています。

  • 強い紫外線
  • 温度差

これらを、365日休むことなく受け続けています。

紫外線は、私たちが思っている以上に強く、少しずつ素材の表面を傷めていきます。
雨や風も同じです。表面を削ったり、水分を含ませたりしながら、じわじわと影響を与えていきます。
外装の劣化は、ゆっくり進みます。
そのため、見た目では気づいたときには、思った以上に進んでいることもあります。

「まだ大丈夫そう」と思っていた外壁が、実は内部では傷み始めていた。
そんな例も少なくありません。


内装と外装はつながっている

ここで大切なのが、内装と外装は別々ではないという考え方です。
たとえば、外装の表面が弱くなると、どうなるでしょうか。
雨が降ったとき、ほんのわずかなすき間から水分が入りやすくなります。最初はほんの少しでも、長い時間をかけて内部に影響を与えることがあります。
すると、

  • 壁の内側が湿りやすくなる
  • 目に見えない場所でカビが発生する
  • 室内側の仕上げにも影響が出る

という流れにつながることがあります。
つまり、外装の状態が、内装の寿命にも関係しているということです。

内装だけをきれいにしていても、外装が弱っていれば、結果としてリフォームの周期は短くなってしまうことがあります。


湿気との付き合い方が周期を変える

日本の住まいで、もうひとつ大きな影響を持つのが湿気です。湿気は目に見えませんが、住まいの中で静かに影響を与え続けています。
たとえば、

  • 押し入れのにおい
  • 梅雨時期のベタつき
  • 冬の結露

これらはすべて湿気が関係しています。

湿気は、室内にも外側にも存在します。

外側から入ってくる湿気。
室内で発生する湿気。

この両方が、壁や建物の中にたまりやすい状態になると、

  • カビが出やすくなる
  • 素材の劣化が進む
  • においが残りやすくなる

といった変化が起こります。
そしてこれが、リフォーム周期を短くしてしまう原因のひとつになります。


家全体で考える素材選び

ここまで見てきたように、リフォームの周期は、室内だけで決まるものではありません。
外側と内側の両方が関係しながら、少しずつ時間を積み重ねていきます。
だからこそ、素材を選ぶときには、

  • 内装だけ
  • 外装だけ

という考え方ではなく、家全体でどう働くかという視点が大切になります。
たとえば、

  • 外装は雨や紫外線から守る役割
  • 内装は室内の空気や湿気を整える役割

それぞれの場所で、素材が果たす役割は違います。
しかし最終的には、どちらも住まいの寿命に関わる存在になります。


シラスという自然素材

ここで、家の内装と外装の両方に使われる素材のひとつとして、シラスという自然素材があります。

シラスは、九州南部に広く分布している火砕流堆積物で、約2万7000年前の姶良カルデラの大噴火によって生まれた自然素材です。
とても細かい粒でできていて、その中には、目に見えないほど小さな穴が無数にあります。
この小さな穴が、いくつもの働きを生み出します。

この素材は、内装だけでなく、外装の仕上げにも使われています。
つまり、家の中と外の両方で働く素材として考えられる存在です。


小さな穴がもたらす働き

シラスの粒の中には、目に見えないほど小さな穴がたくさんあります。
この穴が、空気の動きと関わる働きを持っています。
たとえば、

  • 湿気をため込みすぎない
  • においがこもりにくい
  • 空気の状態を安定させやすい

といった働きです。

湿気が多いときには受け止め、乾燥しているときには放出する。
そんな働きをくり返すことで、室内の空気が落ち着きやすくなると考えられています。
また外装として使われる場合でも、素材自体の性質が、建物を守る一つの役割を担います。

こうした働きは、短期間では分かりにくいものです。
しかし、年数を重ねるほど、少しずつ違いが現れてくる部分でもあります。


内装と外装の両方で考える意味

素材選びを考えるとき、多くの人はまず内装から考えます。見た目や触れた感覚が分かりやすいからです。
しかし、本当に大切なのは、内装と外装の両方がどのように働くかという視点です。

外装がしっかりしていれば、内部への影響を減らすことができます。
内装が湿気をためにくければ、室内環境も安定しやすくなります。
この両方がかみ合うことで、

  • 劣化がゆるやかになる
  • カビやにおいが出にくくなる
  • 手直しの回数が少なくなる

といった変化につながっていきます。それは結果として、リフォーム周期の長さに表れてきます。


長く暮らすほど素材の違いが見えてくる

新しい家やリフォーム直後の部屋は、どんな素材でもきれいに見えます。
違いが出てくるのは、数年後からです。

  • 汚れが目立つか
  • においが残るか
  • カビが出てくるか

こうした変化は、時間がたってから少しずつ表に出てきます。
だからこそ、素材を選ぶときには、

「今きれい」だけでなく
「先もきれいでいられるか」

という視点を持つことが大切です。


まとめ|素材選びは未来の暮らし選び

リフォーム周期は、運や偶然では決まりません。
その多くは、どんな素材を選んだかによって左右されます。

短い周期で何度も手を入れるのか、
それとも長く使い続けるのか。

その分かれ道は、最初の選択の中にあります。
そして最近は、湿気や空気との関係を考えた素材も、少しずつ身近になってきています。
自然素材の一つであるシラスのように、目に見えない部分で働く素材は、時間がたつほど違いが表れてきます。

家は、一度つくったら終わりではありません。
これから何年も続く暮らしの舞台です。
だからこそ、見た目だけでなく、長い時間をどう過ごしたいかを想像しながら、素材を選んでみてください。

きっと、その選択が、未来のリフォームの回数を静かに変えていくはずです。


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