シラス壁リフォームの費用相場と失敗しないための注意点

はじめに
家の中で毎日目にする「壁」。
でも、ふだんはあまり気にしていない人がほとんどだと思います。ところがある日、「壁に細いヒビが入っている」
「手で触ると白い粉がつく」「なんだか部屋が古く見える」そんなことに気づくと、急に目につくようになります。
特にシラス壁の家では、「これって直したほうがいいの?」「直すならいくらかかるの?」「下手に工事して失敗しない?」
と、わからないことだらけです。
この記事では、
・シラス壁リフォームの費用相場
・どんな直し方があるのか
・よくある失敗と、その避け方
についてまとめました。
そもそもシラス壁ってどんな壁?
約2万5千年前の大噴火によって九州南部に広がる火山噴出物“シラス”という自然素材を使って仕上げる塗り壁です。
シラス壁のいいところ
・湿度を調節してくれる
・消臭機能がある
・自然な見た目で落ち着く
・100%自然素材で、安心して過ごせる
シラス壁リフォームの費用はどれくらい?
「結局いくらかかるの?」
ここが一番気になるところですよね。
シラス壁のリフォームは、直し方によって施工金額が大きく変わります。また、部屋の使用状況によって、家具の異動費や養生費など別途費用が発生します。
① 気になる部分だけ直す(部分補修)
施工費用の目安:4,000~50,000円前後
小さなヒビや欠けた部分だけを直します。
「全部は直さなくていいけど、目立つところが気になる」
という場合の補修方法です。
価格は、補修部分の大きさや面積によって大きく異なります。指先程度の穴が数個や小さなヒビが数本であれば、専用の補修材でDIYでも可能です。
ただし注意点があります。
古い壁は色が変わっている場合もあるで、補修したところだけ少し白く見えることがあります。
近くで見ると、どうしても「直した感」は残ります。
② シラス壁を全体的に塗り直す
施工費用の目安:1㎡あたり5,000〜10,000円
(6畳の部屋で9万〜20万円ほど)
今のシラス壁の上から、新しく塗り直す方法です。
見た目も質感も、かなりきれいになります。
方法は2種類あります。同じ壁材を塗り重ねる方法とシラス壁専用の塗料を塗る方法です。
ただしこの工事は、
・下の壁がしっかりしていないとできない
・職人さんの技術差が大きい
という特徴があります。
安さだけで業者を選ぶと、仕上がりに差が出やすい工事です。
③ 壁紙(クロス)に変える
施工費用の目安:1㎡あたり6,000〜8,000円
(6畳で11万〜16万円程度)
シラス壁の上を平らにして、壁紙を貼ります。
シラス壁を全体に塗り直すよりも費用が安く、工事も短期間で終わります。
ただし、シラス壁の凸凹の程度によって、施工費が変わることがあります。
ただし、
・湿気を調整する力はなくなる
・シラス壁の良さはなくなる
という点は知っておく必要があります。
「見た目が新しくなればOK」という人向けです。
④ 別の塗り壁に変える
施工費用の目安:1㎡あたり5,000〜10,000円
珪藻土(けいそうど)や漆喰(しっくい)など、別の塗り壁材を使います。
シラスほど扱いが難しくない材料もあり、仕上がりが安定しやすいです。
「自然素材は好きだけど、シラスじゃなくてもいい」
という人に選ばれています。
よくある失敗は「よく考えずに決めた」ケース
シラス壁リフォームで後悔する人には、ある共通点があります。
それは、よくわからないまま決めてしまったことです。
実際によくある失敗を見てみましょう。
失敗① 安さでクロスにしたら、部屋がジメジメした
シラス壁は、湿気を調整してくれます。
クロスにするとその働きがなくなり、結露が出やすくなることがあります。
「前よりカビが気になる」という声も少なくありません。
失敗② 「問題ない」と言われたのに、数年で剥がれた
シラス壁の上に施工する場合、下地処理がとても大切です。
これを省くと、
・壁紙が浮く
・塗り壁が剥がれる
といったトラブルが起こります。
見積もりの説明があいまいな場合は、必ず質問しましょう。
失敗③ ちょっと直しただけなのに、逆に気になる
部分補修をすると、
「そこだけ新しすぎて目立つ」
ということがあります。
きれいにしたい気持ちが強い人ほど、不満が残りやすい方法です。
失敗しないために知っておきたいこと
ここからは、リフォーム前に必ず意識してほしいポイントです。
① シラス壁の工事経験があるかを確認する
左官工事は、経験の差がそのまま仕上がりに出ます。
「やったことがあります」ではなく、
写真や実例を見せてもらうことが大切です。
② 見積もりは1社で決めない
最低でも2〜3社から話を聞きましょう。
金額だけでなく、
・説明がわかりやすいか
・質問にきちんと答えるか
・どんな下地処理をするか
も比べてください。
話しやすさは、工事中の安心感につながります。
③ 5年後の自分を想像する
今きれいになるだけでなく、
・掃除のしやすさ
・次に直すときの手間
も考えて選ぶことが大切です。
「とりあえず安く」は、あとで後悔しやすい選び方です。
まとめ:シラス壁リフォームは「考え方」で正解が変わる
シラス壁リフォームに、決まった正解はありません。
・雰囲気を大事にしたい人
・費用を抑えたい人
・自然素材にこだわりたい人
それぞれ、合う方法は違います。大切なのは、なぜ直したいのかをはっきりさせることです。
その理由が決まれば、工事の方法も、業者選びも自然と絞れてきます。
シラス壁は、扱いが難しいぶん、うまく付き合えば長持ちする壁です。
この記事が、後悔しないリフォームを考えるきっかけになればうれしいです。
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