子どもの学習環境を整える!シラス壁の効果とは?

はじめに
子どもが家で勉強するとき、「どうしてこんなに集中できないんだろう?」と感じたことはありませんか。
やる気はあるのに注意がそれてしまったり、気づけばスマホを触ってしまったり。
でも、原因は子どもの“性格”だけではありません。実は、**家の空気や環境の質も、集中力に大きく関係していると言われています。
そこで今回は、最近じわじわ人気が高まっている「シラス壁」に注目してみます。自然素材として知られるシラス壁ですが、ただの健康志向の建材ではなく、学習環境づくりにも向いているという点で注目されています。
「壁が変わるだけで本当に勉強がはかどるの?」
最初はそう思うかもしれません。しかし、シラス壁が持つ特徴を知ると、「たしかにこれは勉強にいいかも」と納得できるはずです。
**引用文献
「室内空気質と認知パフォーマンス」Künn, S., Palacios, J., & Pestel, N.(2019)
IZA Discussion Paper No.12632, IZA Institute of Labor Economics.
(原文:Indoor Air Quality and Cognitive Performance)
「在宅勤務における室内環境品質と認知機能:現場調査」Li, X., ほか(2024)
Building and Environment, 245, 110732.
(原文:Indoor environmental quality and cognitive performance during home-working: A field study)
シラス壁ってそもそも何?
シラス壁の「シラス」とは、約2万5千年前に南九州で起きた巨大噴火で、大量に噴き出した火砕流が積もってできた火山性堆積物のことです。
顕微鏡で見ると、小さな穴が無数に空いています。この多孔質構造が、シラス壁の働きの秘密です。
一般的な塗り壁やビニールクロスと比べると、以下のような特徴があります。
- 湿度に応じで湿気を吸収したり放出したりする
- ニオイの元を吸着する
- 吸音効果がある
これらはあくまで“自然のままの力”で、人工的な化学成分を使わずに実現しているのがポイントです。
集中力と「空気」は無関係じゃない
子どもの集中力は、実は“空気の質”と深くかかわっています。
たとえば
- 部屋がジメジメしている
- なんとなくムッとするニオイが残っている
- 窓を閉めていると空気がこもる
こうした状態の部屋だと、脳は知らず知らずのうちにストレスを感じます。
すると、ちょっとしたことで気が散りやすくなり、長時間の学習が難しくなります。
大人でも「なんだか息苦しい部屋では仕事がはかどらない」という経験はありますよね。子どもは大人よりも環境の影響を受けやすいので、空気の質が集中力に与える影響はさらに大きいと考えられます。
ここでシラス壁の役割が生きてきます。
シラス壁が学習環境に“向いている”理由
湿度が安定すると、集中力が続きやすい
勉強中に「なんか蒸し暑くて頭が働かない」——こんな経験は誰でもあります。
シラス壁は、部屋の湿度が高くなると余分な湿気を吸い、逆に乾燥すると湿気を放出してくれます。
つまり、エアコンに頼りきりにせず、自然に湿度を調整してくれるのです。
湿度が安定していると
- 頭がぼーっとしにくい
- 体温調整の負担が減る
- 不快感が消える
といった効果があり、結果として集中しやすい環境になります。
ニオイが残らない=気が散らない
シラス壁の最大の特徴ともいえるのが、消臭力の高さです。
食べ物のにおい、汗のにおい、部屋干しのにおい……。
こうした生活臭は、実は勉強の妨げになることがあります。「なんかにおうな」と感じると、それだけで意識がそちらに向いてしまうからです。
シラス壁はニオイの原因となる成分を吸着してくれるため、空気がスッキリした状態を保てます。
塾やカフェで勉強がはかどりやすいのは、空気がどこか“さわやか”だからなのかもしれません。
化学物質が少ない=頭が疲れにくい
一般的なビニールクロスの接着剤や塗料には、微量ですが揮発性の化学物質が含まれる場合があります。
敏感な子ほど、目のかゆみや頭痛を感じることもあります。
シラス壁は自然の火山噴出物が主原料で、化学物質に頼らずに壁材として成り立っています。
そのため、長時間勉強しても疲れにくい環境になりやすいと言えます。
音が響きにくくなる
勉強しているとき、家族の足音やテレビの音が気になることってありますよね。
シラス壁には吸音性があり、音の反射をやわらげます。
これによって、
- 部屋の中の声が反響しにくい
- 外からの生活音が気になりにくい
といった“静けさ”をつくりやすくなります。
実際の使い心地
シラス壁について調べると「空気がきれいになる」「調湿できる」といったメリットが多く紹介されていますが、実際に使ってみるともう少し“生活のリアル”を感じる場面があります。
◎ 子どもの“鼻がムズムズする時間”が減る
花粉の時期や乾燥する時期でも、空気が落ち着いた感じになり、朝の鼻のムズムズが軽くなることがあるようです(もちろん個人差はあります)。
◎ 壁に近づくと、空気がひんやりする感じが少ない
コンクリート壁には触ると冷たさがありますが、シラス壁は温度変化がゆるやかで、部屋全体が“落ち着いた空気”に包まれたような雰囲気になります。
◎ 夜になっても空気がこもらない
換気し忘れた日でも、空気の重たい感じが出にくく、特に子どもの寝室との相性が良いです。
こういう細かな実感は、実際の暮らしでは大きな違いとして表れます。
おすすめの使い方
「じゃあ家中をシラス壁にすれば良いの?」と言うと、もちろんそれもベストに近いのですが、リフォーム予算に限りがある家庭も多いはず。
そこで、最低限ここをシラス壁にすると効果を感じやすい、という場所を紹介します。
勉強机のある部屋
まずはここが最優先。
特に、部屋全体でリフォームするのが難しい場合は机の向こう側の壁だけでもOK。
学習時にもっとも近くにある壁がシラスになるだけでも、空気の質は変わります。
子ども部屋の入口付近
入口付近にシラス壁を使うと、部屋へ入るたびに空気がサラッと感じられます。
子ども部屋特有のニオイ対策にもなります。
寝室
睡眠の質がいいと、翌日の集中力がぐっと上がります。
寝室をシラス壁にすると、一日の疲れがリセットされやすく、勉強の効率にも間接的に良い影響があります。
シラス壁のデメリットも知っておこう
もちろんシラス壁は万能ではありません。正直に言えば、気をつけたい点もあります。
- 強く擦ると粉がつくことがある
- ビニールクロスよりも施工費が高め
- 家具をぶつけると欠ける可能性がある
まとめ:環境が変わると“勉強のしやすさ”は想像以上に変わる
勉強の成果というと、つい「参考書」「塾」「やる気」といった目に見えるものばかり注目しがちです。
しかし、空気や湿度といった“見えない環境”の整え方も、実は学力に大きく関わっています。
シラス壁は、
- 空気を整える
- 湿度を安定させる
- ニオイを抑える
- 音環境を改善する
という働きで、子どもの集中力を支えてくれます。
勉強が苦手な子や、なんとなく落ち着きがない子でも、環境が変わるだけで「以前より集中できるようになった」というケースは少なくありません。もし家庭でできる“学習サポート”を探しているなら、シラス壁はとても有力な選択肢のひとつです。
勉強のやる気を引き出すのは、子ども自身だけではありません。大人がつくる環境が、子どもの未来をそっと後押ししてくれます。
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