海を愛でる壱岐の住まい K様邸
長崎県壱岐市
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設計 睦設計コンサルタント
福岡県と対馬の中間地点の玄界灘に浮かぶ、なだらかな地形の島・壱岐島にあるK様邸。
K様邸のある長崎県壱岐市は、市域全域が壱岐対馬国定公園に指定されており、雄大な自然景観に恵まれています。
豊かな自然に囲まれたK様邸の内装に「中霧島壁ライト」、外装に「スーパー白洲そとん壁W」が採用されています。
外観 周囲に広がる自然の景観により、四季折々の表情をみせてくれる。
スーパー白洲そとん壁W W-129 掻き落とし仕上げ
K様邸は、自然豊かな、南に海を望む丘の上にあります。心地よい風と光に包まれ、ゆっくりとした時間が流れています。
緩やかな屋根と100%自然素材のシラス外装材が印象的なK様邸。
建築家、施工者、住まい手が三位一体となり、壱岐の自然を感じながら自然の恩恵を享受する住まいができました。
K様邸を設計した睦設計コンサルタント 松本隆之氏にシラス壁採用の理由を伺いました。
「ご主人がシックハウスアレルギー体質ということで、設計当初は内外ともに漆喰をご希望されていました。シラス壁は有害物質の吸着作用や、調湿作用が他の左官材より期待できると思い採用をお勧めしましたところ、受け入れていただきました。
シラス壁は無垢木材との相性がよく、外観においては外装サイディングとの差別化、内部空間においてはクロスにはない機能性という点でこの住宅の住まい手に大きく寄与しています。」
家づくりの主役は建主であり、設計者の仕事は建主主動の家づくりを専門的にサポートすることであると考える松本氏。
過剰な設備投資よりも、自然素材の採用やキッチンや家具、建具などをオリジナル製作し、五感で感じる心地よさを大切にしています。
住まい手K様からもシラス壁への感想をいただきました。
「シラスの壁が湿度調整をしてくれ、梅雨や夏でもサラッとして素足に気持ちよく、冬も肌がカサつかず、とても住み心地がよいです。夫のアレルギー症状もおさまっており、快適に暮らしています。」
シラス壁は100%自然素材だから、シックハウス原因物質を含まずシックハウス対策としても大変効果的です。
室内の湿度を調整するため夏場の体感温度を下げる効果も期待できます。
シラス壁は快適な室内環境づくりに貢献します。
キッチン ここからも海を望むことができる。
中霧島壁ライト L-21
K様邸は、「第13回 長崎県木造住宅コンクール」優秀賞を受賞しています。
<K様邸のコンセプト・設計のポイント>
設計コンセプトは、すべての居室とキッチンの立ち位置から海の景観を眺めることができること、できる限り自然素材を使用すること、太陽光発電システムを効率よく設置することの3点でした。
台風時など、かなりの強風による「吹き上げ」が予測される為、軒を低く抑え屋根勾配を緩やかに計画することから設計がスタートしました。しかしながら、屋根面に設置する太陽光発電パネルの発電効率が最大となる設置角度は、設計勾配より急勾配となります。そこで、設置架台などを使用せず、屋根自体を一部持ち上げることで問題を解決しつつ、暗くなりがちな中廊下へのトップライトによる採光と、全居室の効率的な自然換気を実現させています。南面の掃き出し窓から各居室に取り込まれた海風は、内部建具の換気小窓を通り、開閉可能なトップライトから排気されます(高度差による自然換気)。棟頂部から葺き降ろした北側屋根は急勾配となり、冬季の季節風が玄関アプローチ歩廊に吹き込むのを防いでいます。
床材は35mmの杉板を使用し、大断面構造垂木を意匠化することで、純和風やログハウスのような木一辺倒ではなくモダンな雰囲気のインテリアとなっています。また、キッチン・家具・収納など、衛生器具以外はすべてオリジナル製作し、シラスと木質による意匠の統一を図っています。
(松本隆之氏)
上:玄関・ホール/左下:中廊下 中霧島壁ライト L-21 右:洗面室 中霧島壁ライト L-23
「建築を建てる敷地、施主様の考え方など、ひとつとして同じものはないため、時間をかけてゼロから練り上げていきます。」
と松本氏。
図面を作成するだけではなく、企画・敷地の選定から、コストマネジメント、業者選定、現場監理、引渡し後の維持管理アドバイスなど、建築家の業務は多岐にわたります。
「建築へのアプローチを常にフリーな状態で保ち、新しい発想を目指していきたいと思っています。」
壱岐の豊かな自然の中に佇むK様邸。
目の前に広がる海を見ながら、家族の時間がゆっくりと積み重なっていく。
幸せな時間はいつもここにあります。
睦設計コンサルタント
設計:松本 隆之
〒811-5136長崎県壱岐市郷ノ浦町片原触410
TEL: 0920-47-1819 FAX: 0920-47-2884