シラス壁のメリット・デメリットまとめ!クロス壁との違いを解説

2025/12/19(金) シラス壁コラム

はじめに

家づくりやリフォームを考えていると、「シラス壁」という言葉を聞くことがあります。
自然素材で体にやさしい、消臭効果がある、見た目がかっこいい……そんなイメージを持つ人も多いでしょう。
一方で、「高そう」「汚れやすい?」「クロスと何が違うの?」と不安になる人も少なくありません。

この記事では、シラス壁の特徴・メリット・デメリットを整理しながら、一般的なクロス壁との違いを、できるだけわかりやすく説明します。


そもそもシラス壁とは?

シラス壁とは、約2万5千年前に南九州で起きた巨大噴火で、大量に噴き出した火砕流が積もってできた火山性堆積物がもとになった自然素材の塗り壁です。
見た目は、ツルツルではなく、少しザラっとした質感
クロス(壁紙)と違い、職人さんがコテで一面ずつ塗って仕上げます。

つまりシラス壁は、

  • 工業製品ではなく自然素材
  • 貼る壁ではなく、塗る壁

という点が大きな特徴です。


シラス壁のメリット

 空気がきれいに感じやすい

シラス壁のいちばんの魅力は、空気への影響です。
シラスには目に見えないほど小さな穴がたくさんあり、その穴やシラスの成分が、

  • ニオイを吸着・分解する
  • 湿度を調整する

といった働きをしてくれます。
料理のニオイ、ペットのニオイ、トイレのニオイなどが残りにくく、「なんとなく空気がスッとする」と感じる人が多いです。

湿気に強く、カビが出にくい

日本の家は、夏はジメジメ、冬は結露しやすいですよね。
クロス壁の場合、湿気がこもると、

  • カビが生える
  • クロスが浮く
  • 黒ずみが出る

といったトラブルが起こりやすくなります。
シラス壁は湿気を吸ったり吐いたりするので、結露しにくく、カビが出にくいというメリットがあります。

 火に強い

意外と知られていませんが、シラスは燃えません
火山噴出物からできているため、もともと高温に耐える性質があり、火にとても強く、万が一の火事のときにも、燃え広がりにくい素材です。

小さな子どもがいる家庭や、防災を意識する人には安心材料になります。

 見た目に「味」が出る

クロスはきれいで均一ですが、時間がたつと古さが目立ちやすいです。
一方シラス壁は、

  • 色ムラ
  • コテ跡
  • 自然な陰影

があり、経年変化も含めて味になります。多少の汚れや小さな傷も、「生活感」としてなじみやすいのは、塗り壁ならではです。


シラス壁のデメリット

費用が高い

正直に言うと、シラス壁は安くありません
クロス壁と比べると、

  • 材料費が高い
  • 職人の手作業なので施工費もかかる

そのため、一般的にはクロスの2〜3倍くらいの費用になることが多いです。
「全部の部屋をシラス壁にしたい」と思うと、予算オーバーになるケースもあります。

 汚れがまったく付かないわけではない

「自然素材だから汚れない」と思われがちですが、そんなことはありません。

  • 手垢
  • 飲み物の飛び散り
  • 子どもの落書き

などは、普通に付きます。

補修は簡単ではない

クロスなら、汚れた部分だけ貼り替えることができます。
シラス壁の場合、

  • 同じ色が出にくい
  • コテ跡を再現しにくい

ため、部分補修が目立ちやすいことがあります。大きな傷をつけないよう、家具の移動などは少し注意が必要です。


クロス壁との違いを比較

  シラス壁 クロス壁
価格 高め 安い
施工 職人の手塗り 貼るだけ
調湿・消臭 強い ほぼなし
デザイン 自然で個性的 種類が豊富
メンテナンス 慣れが必要 簡単

 


シラス壁が向いている人・向いていない人

向いている人

  • 空気環境を大切にしたい
  • 自然素材が好き
  • 長く住む家を考えている
  • 多少のムラや味を楽しめる

向いていない人

  • 初期費用を抑えたい
  • 真っ白で完璧な壁が好き
  • 汚れにとても神経質
  • 数年でリフォーム予定

シラス壁は「全部やる」必要はない

最後に大事なポイントです。
シラス壁は、家中すべてに使わなくてもOKです。

例えば、

  • リビングだけ
  • 寝室だけ
  • トイレや玄関だけ

といった使い方でも、効果は十分感じられます。
クロスと組み合わせることで、コストと快適さのバランスを取るのがおすすめです。


まとめ

シラス壁は、

  • 空気がきれいに感じやすい
  • 湿気やニオイに強い
  • 見た目に味がある

という大きな魅力がある一方、

  • 費用が高い
  • 補修が簡単ではない

という注意点もあります。

大切なのは、「流行っているから」ではなく、自分や家族の暮らしに合うかどうかで選ぶことです。
この記事が、壁選びで後悔しないためのヒントになれば幸いです。


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