調湿・消臭・断熱!シラス壁がもたらす3つの快適効果

2025/09/15(月) シラス壁コラム


はじめに

家の中で過ごす時間は、一日の大半を占めています。だからこそ、「住まいの快適さ」は毎日の暮らしに大きく関わってきます。最近ではデザイン性や機能性を兼ね備えた壁材が注目されていますが、その中でも特に人気を集めているのが「シラス壁」です。

シラスとは、2万5千年前、現在の鹿児島湾北部を火口とする姶良カルデラの大噴火によって発生した火砕流が堆積した、自然素材。日本では鹿児島をはじめとする南九州に多く存在します。このシラスを使った壁材が、なぜここまで注目されているのか。その秘密は、「調湿」「消臭」「断熱」という3つの大きな効果にあります。

この記事では、それぞれの効果が私たちの暮らしにどんなメリットをもたらしてくれるのかを、できるだけわかりやすく解説していきます。


調湿効果 〜ジメジメもカラカラも解消〜

日本は四季がはっきりしている国です。夏は蒸し暑く、冬は乾燥する。梅雨にはジメジメした空気に悩まされ、冬には加湿器が手放せない…そんな経験をしたことがある人も多いはずです。

ここで役立つのが、シラス壁の「調湿効果」です。シラスの表面は無数の小さな穴(多孔質構造)を持っており、空気中の湿気を吸ったり吐いたりしてくれます。まるで壁全体が「呼吸」しているようなものです。

例えば梅雨の時期。外がジメジメしているのに、部屋の中は思ったよりカラッとしている。そんな快適さをもたらしてくれるのがシラス壁です。逆に、冬場の乾燥シーズンには壁が溜めていた水分を放出し、乾きすぎを防いでくれます。

加湿器や除湿機を頻繁に使わなくても、自然と空気を整えてくれるのは大きな魅力です。特に小さな子どもや高齢者がいる家庭では、快適な湿度環境は健康にも直結します。


消臭効果 〜イヤなにおいを自然に分解〜

暮らしていると、どうしても家の中にはいろいろなにおいがこもります。料理のにおい、ペットのにおい、タバコのにおい…。芳香剤でごまかす方法もありますが、根本的ににおいを消すのはなかなか難しいものです。

シラス壁は、この「消臭」にも大きな力を発揮します。シラスの細かい穴には、においのもとになる物質を吸着して分解する働きがあるのです。

たとえば焼き魚をした日の夜、普通なら翌朝までキッチンににおいが残ってしまうことも多いですよね。でもシラス壁のある部屋なら、翌日にはほとんど気にならなくなっていることも珍しくありません。

また、化学薬品を使った消臭剤とは違い、自然素材ならではの安心感もあります。小さな子どもやペットがいる家庭でも、安心して使えるのがうれしいポイントです。


断熱効果 〜夏は涼しく、冬はあたたかく〜

光熱費が高騰している今、住まいの断熱性能はますます大切になっています。エアコンや暖房器具に頼らず、できるだけ自然の力で快適に過ごしたいものです。

シラス壁は熱の伝わりを抑える性質を持っており、部屋の温度をできるだけ一定に保ってくれます。夏は外の熱気を室内に伝えにくく、冬は暖房で温めた空気を逃しにくい。つまり、「夏涼しく、冬あたたかい」空間づくりに役立ちます。

この効果は電気代の節約にもつながります。冷暖房をフル稼働させなくても快適に過ごせるので、エコで経済的。しかも壁そのものが自然素材でできているため、人工的な断熱材とは違った安心感があります。


実際に暮らしてみると?

シラス壁の家に住んでいる人の感想を聞くと、よく耳にするのが「空気が違う」という言葉です。

たとえば、あるご家庭では「友人が遊びに来ると、部屋の空気が澄んでいると言われる」とのこと。別の家庭では「梅雨の時期でもベタつきが少なく、洗濯物の部屋干し臭が気にならない」という声もあります。

こうした感覚的な部分は、数字ではなかなか表せません。でも実際に暮らすと、毎日の快適さに直結するものです。


他の壁材との違い

ビニールクロスや塗装壁と比べると、シラス壁は少し施工費が高くつくこともあります。そのため導入をためらう人もいますが、長い目で見るとその価値は十分にあるといえます。

ビニールクロスはデザイン性に優れていますが、湿気やにおいを吸うことはできません。一方シラス壁は見た目の温かみもありつつ、自然の調湿・消臭・断熱効果を発揮します。毎日の快適さを考えれば、決して高い買い物ではないでしょう。


導入費用と長期的なコスト比較

シラス壁は自然素材を使って職人が塗り仕上げるため、一般的なビニールクロスに比べると初期費用はやや高めです。おおまかな目安として、ビニールクロスが1㎡あたり1,000〜1,500円程度なのに対し、シラス壁は3,000〜6,000円程度になることもあります。

「高い」と感じるかもしれませんが、ここで大切なのは「長期的なコスト」で見てみることです。

ビニールクロスの場合、10年ほどで汚れや黄ばみが目立ち、貼り替えが必要になることが多いです。貼り替えにはまた同じくらいの費用がかかります。しかも湿気に弱いため、カビが発生しやすく、そのたびに修繕コストが増える可能性もあります。

一方、シラス壁は自然素材で耐久性が高く、こまめに貼り替える必要がありません。多少の汚れや傷も、専用の道具や補修材を使って部分的に直すことができるので、長い目で見れば維持費用はむしろ抑えられることが多いのです。

さらに、消臭・調湿・断熱といった効果によって冷暖房や除湿機に頼る回数が減り、光熱費や電気代の節約にもつながります。つまり「初期投資は高いが、ランニングコストは安い」というのがシラス壁の大きな特徴です。


デザインバリエーション

シラス壁と聞くと「和風の家によく合うもの」というイメージを持つ人もいるかもしれません。しかし、実際にはデザインの幅はとても広いのです。

仕上げの塗り方によって、表情は大きく変わります。

  • ソフトヘアライン仕上げ:すっきりとした現代的な印象。モダンなインテリアにも合わせやすい。
  • コテの目仕上げ:職人のコテさばきで模様が浮かび上がり、温かみのある雰囲気に。

また、色のバリエーションも豊富です。白やアイボリーなどのナチュラルカラーはもちろん、淡いグレーやベージュ系を選べば落ち着いた雰囲気に。最近ではカフェ風のインテリアに合わせたダークトーンのシラス壁も人気があります。

自然素材特有の質感は、ビニールクロスでは出せない「深み」や「やわらかさ」を感じさせます。照明の当たり方によって陰影が変化し、同じ部屋でも時間帯ごとに違った表情を楽しめるのも魅力のひとつです。


まとめ

シラス壁は、自然素材ならではの優れた力を持った壁材です。

  • 調湿効果で、ジメジメや乾燥を自然にコントロール
  • 消臭効果で、イヤなにおいを吸着・分解
  • 断熱効果で、夏は涼しく冬はあたたかい
  • 初期費用はやや高いが、長期的にはランニングコストを抑えられる
  • デザインバリエーションも豊富で、和風にも洋風にも合う

こうした特徴が合わさることで、家の中の空気はぐっと快適になります。毎日過ごす空間だからこそ、壁材ひとつで暮らしの質が大きく変わるのです。

「快適な住まいをつくりたい」と考えている人は、シラス壁を選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。自然の力がもたらす心地よさを、ぜひ体感してみてください。


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