暮らしの中で「壁」を意識したことはありますか?

はじめに
毎日暮らしている家の中で、「壁」をじっくり見たことはありますか。
床や天井、窓やドアは意識しやすいのに、壁はそこにあって当たり前の存在です。気にすることもなく、触れることも少ない。けれど実は、壁は私たちの暮らしにとても深く関わっています。
朝起きてから夜眠るまで、私たちはずっと壁に囲まれて生活しています。壁は、ただ部屋を仕切るだけのものではありません。空気や湿度、におい、音、そして気分にも、知らないうちに影響を与えています。
この記事では、「壁」を少し違う視点から見つめ直しながら、暮らしとの関係を考えていきます。普段は気づかないけれど、意識すると見えてくる「壁の役割」を、分かりやすくでお話しします。
壁はいつも、私たちのそばにある
家の中で一番面積が大きい場所はどこでしょう。
実は、床でも天井でもなく、「壁」だと言われています。
それだけ広い面積を持つ壁は、部屋の雰囲気を決める大きな存在です。色や質感だけでなく、空気の感じ方や居心地にも影響します。
同じ広さ、同じ間取りの部屋でも、「なぜか落ち着く部屋」と「少し居心地が悪い部屋」があります。その違いは、家具や照明だけでなく、壁の素材や仕上げが関係していることも少なくありません。
壁は目立たない存在ですが、私たちの暮らしを静かに、でも確実に支えています。
壁と空気の意外な関係
人は一日に、約2万回以上(日本医師会Webサイト)も呼吸をすると言われています。そのほとんどを、家の中で行っています。つまり、家の空気は、私たちの体と一番長く接している存在です。
空気がこもっている部屋に入ると、なんとなく息が浅くなったり、気分が重く感じたりすることはありませんか。これは気のせいではなく、空気の質が体に影響しているサインです。
実は、壁の素材によって、空気の感じ方は変わります。表面がつるつるした壁は、空気やにおいを閉じ込めやすい傾向があります。一方で、細かな凹凸がある壁は、空気をやさしく受け止め、部屋全体になじませるような働きをします。
「この部屋、空気がやわらかい」
そんな感覚は、壁がつくっているのかもしれません。
湿気や乾燥も、壁が影響している
日本の暮らしにとって、湿気と乾燥は切り離せない問題です。
梅雨や夏はジメジメし、冬は空気が乾いて肌や喉がつらくなる。こうした変化は、家の中でもはっきりと感じます。
多くの場合、エアコンや除湿機、加湿器などで対策をしますが、実は「壁そのもの」も湿度に深く関わっています。
壁の素材によっては湿気をため込みやすく、結露が発生しやすくなることがあります。反対に、湿気を吸ったり、乾燥したときに放出したりする性質を持つ壁もあります。
これは急激に湿度を変えるのではなく、自然に整えるという考え方です。人の体にとっても、こうしたゆるやかな調整は負担が少なく、心地よさにつながります。
においは、壁に残ることがある
生活の中では、さまざまなにおいが生まれます。料理、汗、生活臭、ペットのにおいなどです。
換気をしても、しばらくするとまた気になることはありませんか。実は、においの原因は空気中だけでなく、壁に吸着していることもあります。
特に、表面をビニールなどで覆った壁は、においが逃げにくく、部屋にこもりやすい傾向があります。一方で、自然素材を使った壁は、においの成分を吸着しやすい性質を持っています。
においは、気づかないうちにストレスになります。「なんとなく落ち着かない」「深呼吸したくない」と感じるとき、壁の存在を思い出してみるのも一つの方法です。
「どんな壁か」で、暮らしの質は変わる
ここまで読んで、「壁が思っていたより大切な存在だ」と感じた方もいるかもしれません。
空気の感じ方、湿度の違い、においの残り方。
これらは、暮らしの中で毎日少しずつ積み重なっていくものです。そして、それを受け止めているのが、部屋の大部分を占める「壁」です。
つまり、
どんな壁を選ぶか=どんな空間で暮らしたいか
とも言えます。
ここで大切なのは、「見た目がきれいかどうか」だけではありません。
その壁が、空気や湿度、においにどう関わっているかを知ることです。
シラスという素材に注目してみる
壁の素材には、いろいろな種類があります。
その中で、自然素材として注目されているのが「シラス」です。
シラスは、九州地方に堆積している火砕流分出物のうち、主に2.7万年前の姶良カルデラの噴火によって発生した入戸火砕流を起源とする、白色~灰白色で砂状の自然素材です。
シラスは非常に細かい粒でできており、一粒一粒に無数の小さな穴があります。
この「穴」が、シラスの大きな特長です。
- 湿気を吸ったり、放したりする
- においの成分を吸着する
- 空気をやわらかく受け止める
こうした働きは、あとから加工して加えたものではなく、素材そのものが持っている性質です。
シラス壁は「機能を足す壁」ではない
シラスを主原料として、自然素材のみで仕上げた壁が「シラス壁」です。
化学物質を使わず、職人の手で塗られる左官仕上げの壁になります。
シラス壁の考え方で特徴的なのは、
「何かを加えて高性能にする」のではなく、「素材の力をそのまま活かす」
という点です。
消臭材を混ぜたり、調湿剤を後から加えたりするのではなく、シラスがもともと持っている性質を、そのまま壁として使っています。
そのため、
- 空気がこもりにくい
- 湿度の変化がゆるやか
- においが残りにくい
といった変化を、暮らしの中で自然に感じやすくなります。
「何もしていないのに、心地いい」という感覚
シラス壁について語るとき、多くの人が使う言葉があります。
それは、「何もしていないのに、なんだか心地いい」という感覚です。
特別な音がするわけでも、目に見えて変化があるわけでもありません。
でも、
- 部屋に入ったときの空気が重くない
- 雨の日でも、ジメジメしにくい
- においが気になりにくい
といった小さな違いが積み重なります。これは、シラス壁が「目立たずに働く壁」だからこそ生まれる感覚です。
壁を意識すると、素材選びの視点が変わる
ここまで読むと、「壁は見た目だけで選ぶものではない」と感じたのではないでしょうか。
暮らしの中で感じる
・なんとなくの疲れ
・落ち着かなさ
・空気の違和感
こうしたものは、住まいの素材と深く関わっています。
シラス壁は、そうした“言葉にしにくい違和感”に向き合うための、一つの考え方です。必ずしも正解は一つではありませんが、「素材が暮らしに与える影響」を知るきっかけになります。
まとめ|壁を知ることは、暮らしを選ぶこと
壁は、毎日そこにあります。
でも、意識しなければ、その存在を考えることはほとんどありません。
この記事では、
- 壁が空気や湿度、においに関わっていること
- 素材によって、暮らしの感じ方が変わること
- シラスという自然素材が持つ、もともとの力
についてお話ししてきました。
シラス壁は、「快適にするための装置」ではありません。
暮らしの中で起こる変化を、静かに受け止める壁です。
もし、
「家にいるのに、なぜか落ち着かない」
「空気の違いを大切にしたい」
そう感じているなら、壁の素材に目を向けてみるのも一つの方法です。
詳しい仕組みや考え方については、高千穂シラスの既存記事でも丁寧に紹介されています。
壁を知ることは、暮らしを選び直すこと。
その第一歩として、シラス壁という選択肢を知っておくことは、きっと無駄にはなりません。