北欧・和モダン・インダストリアル!シラス壁の相性を検証

2025/11/05(水) シラス壁コラム

はじめに

家づくりを考えるとき、誰もが一度は悩むのが「インテリアのテイスト」。
ナチュラル、北欧、和モダン、インダストリアル…と、どのスタイルにもそれぞれの魅力があります。
そしてもうひとつ、最近注目されているのが、「内装材を何で仕上げるか」という“素材選び”です。

この2つ――デザインと素材――を同時に叶えるのが、自然素材のシラス壁
実はこのシラス壁、見た目も機能もさまざまなテイストと相性が良く、どんなスタイルの家でも不思議としっくりなじみます。

今回は、建築デザインの観点から、北欧、和モダン、インダストリアルの3スタイルに分けて、シラス壁との“相性”をわかりやすく解説します。


シラス壁とは?──素材の個性を知る

まず、シラス壁の基本から。

「シラス」とは、九州地方を中心に広がる火砕流の堆積物。
火山の熱と圧力によって生まれた、細かく軽い土のような天然素材です。

このシラスを原料にした左官仕上げの壁材が「シラス壁」。
無数の小さな孔(あな)を持つ多孔質構造で、湿気を吸ったり放出したり、空気をきれいにしたりする力があります。

自然素材でありながら、見た目のバリエーションも豊富。
ざらっとした土の質感から、フラットでモダンな表情まで、塗り方ひとつで印象がガラリと変わります。

この「表情の幅広さ」が、どんなデザインスタイルにも溶け込む理由のひとつです。


北欧スタイル × シラス壁

伝統と現代が調和する「呼吸する空間」

北欧インテリアといえば、白を基調にした明るい空間と、木のぬくもりを感じるやさしいデザイン。

そんなスタイルにシラス壁はぴったりです。

まず、シラス壁の明るい色味は、太陽の光をやわらかく反射して室内全体をやさしく包み込みます。
光が散らされることで、“まぶしくない明るさ”を生み出してくれるのです。

また、シラス壁の質感は、北欧家具のナチュラルウッドと相性抜群。
木の持つあたたかさを引き立て、全体を落ち着いたトーンにまとめます。
たとえば、白やベージュの壁に淡いグレーのシラス壁を部分使いすると、北欧らしい「やさしいコントラスト」が生まれます。

まるで北欧の冬の朝の光を閉じ込めたような、静かな明るさ。
そんな雰囲気を演出できるのも、自然素材ならではの魅力です。


和モダン × シラス壁

伝統と現代が調和する「呼吸する空間」

和モダンスタイルでは、自然素材との調和がデザインの要。
木、畳、和紙、石…といった素材の中で、シラス壁はその“つなぎ役”としてとても優秀です。

たとえば、漆喰や珪藻土よりもマットで落ち着いた色合いを出せるため、古民家のリノベーションや茶室風の空間にも自然になじみます。

さらに、シラス壁の調湿機能が、日本の四季にぴったり合う点も見逃せません。
梅雨や夏の湿気を吸い、冬は乾燥しすぎない。昔の土壁のように、空気を整える働きをしてくれます。

たとえば、和モダンの玄関や寝室に使うと、木の香りや和紙の風合いと調和し、心地よい空気が漂います。
照明の陰影が壁の微妙な凹凸に映るのも美しく、シンプルなのに「品のある空間」になるのが特徴です。


インダストリアル × シラス壁

無機質の中に“自然の余白”をつくる

インダストリアルスタイルと聞くと、コンクリートやアイアン、無垢の木など、少しハードで無機質な印象を持つかもしれません。

そんな空間にこそ、シラス壁は絶妙なバランスを生み出します。
コンクリート壁よりも柔らかく、塗りムラや手仕事の跡が残ることで、無機質な空間に“人の温度”を足してくれるのです。

たとえば、グレー系のシラス壁を使うと、照明によって陰影が変化し、時間帯ごとに違う表情を見せます。
金属や黒いフレームと合わせても冷たくならず、ナチュラルで上質な雰囲気を保てます。
また、シラス壁は静電気が起きにくく、ほこりを寄せつけにくいという特性もあるため、シンプル&クリーンを大切にするインダストリアル空間にも最適です。


デザインと機能の両立 ── “美しい空気”をつくる壁

デザイン性だけでなく、シラス壁の魅力は“機能性”にもあります。

  • 湿度を整える
  • ニオイを吸着・分解する
  • 空気中の化学物質を低減する

つまり、見た目が美しいだけでなく、空気まで美しくする壁材

これが、デザイン住宅の分野でもシラス壁が選ばれる理由です。
デザイナーや建築士のあいだでは、「素材感と空気感の両方をデザインできる壁」として注目されています。


スタイル別・おすすめカラー&仕上げ

スタイル おすすめ色味 仕上げの質感 特徴
北欧 アイボリー、ライトグレー フラット仕上げ やさしい光と調和する明るさ
和モダン ベージュ、スモーキーグレー ラフ仕上げ 木や畳との相性抜群。落ち着いた印象
インダストリアル ダークグレー、アッシュ系 コテむら仕上げ 照明の陰影が映える“深み”のある壁面


このように、色と塗り方の選び方次第で、シラス壁はどんなテイストにも表情を変えてくれます。


まとめ:スタイルを選ばない“自然素材の懐の深さ”

北欧のやさしさ、和モダンの静けさ、インダストリアルの力強さ。
一見まったく違うスタイルのようですが、どれも「素材の質感」を大切にしているという共通点があります。

だからこそ、自然由来の素材・シラス壁が調和するのです。

家のデザインに流行はあっても、「空気の心地よさ」や「自然のあたたかみ」はいつの時代も変わりません。
それを形にしてくれるのが、シラス壁という素材。

スタイルにとらわれず、“家族の暮らしにフィットする美しさ”を求める人にこそ、この壁をおすすめしたいと思います。


ダウンロード版資料請求   郵送版資料請求

 

1ページ (全46ページ中)