夏涼しく冬暖かい！シラス壁の温度調整効果とは？

はじめに

毎日を快適に過ごすために、家の中の「温度」はとても大切なポイントです。夏はジメジメして暑く、冬は乾燥して寒い。そんな季節の変化に振り回される生活は、できるだけ避けたいものですよね。

そんな中、最近注目されているのが「シラス壁」という自然素材の壁材です。「夏は涼しく、冬はあたたかい家づくりにぴったり」と言われていて、リフォームや新築を考えている人たちの間で人気が高まっています。

この記事では、シラス壁がどうしてそんなに快適なのか、温度調整の仕組みや特徴をわかりやすく紹介していきます。中学生でも理解できるよう、むずかしい言葉は使わず、できるだけやさしく説明していきますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

「シラス」とは、火山の噴火によってできた白い軽石のような物質のことです。日本の南九州地方には、たくさんのシラス台地が広がっており、昔からこの土を使った建材や土壁が作られてきました。

このシラスを粉にして、自然素材の「壁材」として使いやすくしたものが「シラス壁」です。合成の化学物質は使わず、自然そのままの力を活かして作られているので、体にも環境にもやさしいのが特徴です。

では本題の「なぜシラス壁は夏涼しく、冬暖かいのか？」というところを見ていきましょう。ポイントは大きく3つあります。

シラス壁は、目に見えない無数の小さな穴（多孔質構造）を持っています。この穴が、空気中の湿気を吸ったり吐いたりしてくれるんです。

このおかげで、エアコンや加湿器に頼りすぎなくても、一年中ちょうどいい湿度をキープしやすくなるんですね。湿度が安定すると、体感温度も快適になり、「涼しく感じる」「暖かく感じる」という変化が生まれます。

シラス壁は、熱をこもらせず、素早く放出する性質も持っています。たとえば、夏の昼間に太陽の熱を受けても、シラス壁はその熱をあまりためこまず、すぐに外に逃がそうとします。

逆に冬の寒い日は、室内の暖房の熱をじんわりと保ちながら、必要以上に逃がさない働きもしてくれます。これが「断熱性」と「保温性」のバランスがよいと言われる理由です。

つまり、暑いときは熱を外に逃がし、寒いときはあたたかさをキープする。まるで壁が呼吸しているように、自然と温度を調整してくれるんです。

もうひとつ見逃せないのが「結露（けつろ）」への強さです。冬に窓のまわりにびっしょり水がつくアレですね。結露が起こると、家の中の熱が外に逃げてしまったり、カビが生えたりして不快な環境になります。

シラス壁は湿度をうまくコントロールできるため、結露を防ぎやすいのが特長です。カビの発生も抑えられ、部屋全体の空気がクリーンに保たれるので、冷暖房の効きもよくなり、省エネにもつながります。

たとえば、夏場に一般的なビニールクロスの壁の部屋に入ると、ムワッとした暑さを感じることがありますよね。これは壁材が熱や湿気をこもらせているからです。

一方で、シラス壁の部屋では「空気が軽くて、涼しい」と感じる人が多くいます。これは、湿気や熱をためにくいシラス壁の性質が生きている証拠です。

また、冬に暖房をつけたときも、シラス壁は室内の暖かい空気をゆるやかに保ってくれるため、すぐに冷えてしまうことがありません。「エアコンを止めても、あたたかさが残る」と感じるケースも多く、光熱費の節約にもつながってきます。

現代の家は、どうしてもエアコンや加湿器、除湿機に頼りがちです。もちろん、それらも便利な道具ですが、使いすぎると電気代がかさんだり、空気が乾燥しすぎたりするデメリットもあります。

シラス壁を使えば、自然の力だけで快適な環境を作れるので、そうした機械に頼る頻度をぐっと減らすことができます。結果として、電気代も下がり、体にもやさしい空間が手に入るわけです。

シラス壁の温度調整効果は、こんな人たちに特におすすめです。

・小さなお子さんや高齢の方がいる家庭
　→ 空気の質や温度変化に敏感な人にもやさしい環境を作れます。
・冷暖房の使用を減らしたい人
　→ 電気代の節約や、環境への配慮にもなります。
・カビや結露に悩んでいる人
　→湿度をコントロールすることで、トラブルの原因を減らせます。

「夏は涼しく、冬はあたたかい」。そんな理想の住まいづくりに、シラス壁はとても力を発揮します。自然素材ならではの調湿性、断熱性、そして空気をきれいに保つ力によって、一年中快適な空間が実現できます。

見た目の美しさだけでなく、暮らしやすさという面でも多くの魅力を持つシラス壁。もしこれから家を建てたり、リフォームを考えたりしているなら、ぜひ選択肢のひとつに加えてみてはいかがでしょうか。

自然の力を借りて、もっと心地よく、もっとやさしい暮らしへ。シラス壁は、そんな毎日をそっと支えてくれる存在になるはずです。