次世代住宅のカギ!シラス壁が示すサステナブルな未来
はじめに
いま、世界中で「サステナブル(持続可能)」という言葉が注目されています。地球温暖化や資源の枯渇といった課題に向き合うため、私たちの暮らしや住まいも大きな転換期を迎えているのです。
住宅は人生の中でもっとも大きな買い物のひとつ。だからこそ、次の世代にも誇れる家をつくることが求められています。そんな流れの中で注目されているのが、火山の恵みから生まれたシラス壁。
自然素材でありながら多機能、そして環境への負担が少ないシラス壁は、まさに次世代住宅のカギを握る素材といえるでしょう。本記事では、シラス壁がなぜサステナブルな未来に貢献できるのかを、分かりやすく解説していきます。
シラス壁とは?
「シラス」とは、2万5千年前、現在の鹿児島湾北部を火口とする姶良カルデラの大噴火によって発生した火砕流が堆積したものです。
南九州を中心に分布し、膨大な量のシラスが存在しています。
このシラスを原料にして作られた壁材が「シラス壁」です。化学物質を使わない**自然素材100%**で、調湿・消臭・断熱・除菌といった多くの機能を持っています。
環境にやさしい製造プロセス
セメントやレンガなどの建材は、高温で焼成する工程があり、大量のエネルギーとCO₂排出を伴います。
一方シラスは、焼成を必要とせず、天日乾燥して調合するだけで建材として利用可能。そのため、製造時のエネルギー消費が少なく、CO₂排出も抑えられます。
「作るときからエコ」であることは、サステナブルな家づくりの大切な要素です。
調湿効果で長寿命の家に
住宅の寿命を縮める大きな要因は湿気です。結露やカビは建材を傷め、リフォームや建て替えのサイクルを早めてしまいます。
シラス壁は無数の微細な孔を持ち、湿気を吸ったり吐いたりする調湿効果に優れています。その結果、建物の構造体が傷みにくくなり、家全体の寿命を延ばすことにつながります。
長く住み続けられる家は、それだけで環境負荷の低減につながるのです。
空気をきれいに保つ力
サステナブルな暮らしは、人の健康とも密接に関わっています。
シラス壁には、消臭機能や有害物質の吸着・分解作用があります。ホルムアルデヒドなどの化学物質を吸着し、室内の空気を清浄化。さらに、除菌・抗ウイルス効果も確認されており、家族の健康を守ります。
「快適で健康的な住まいを実現できる」ことは、次世代住宅に欠かせない要素といえるでしょう。
省エネ効果でCO₂削減
シラス壁のもうひとつの特徴が、断熱・保温効果です。夏は涼しく、冬は暖かい室内環境を自然の力で実現できます。
その結果、冷暖房の使用を減らすことができ、電気代の削減だけでなくCO₂排出削減にも直結します。日常生活の中でエネルギーを抑えられることは、持続可能な未来を考えるうえでとても重要です。
廃棄時も環境負荷が少ない
建材の多くは、廃棄の際に環境に負担をかけます。化学物質を含む壁材は処理が難しく、廃棄コストもかさみます。
シラス壁は自然素材なので、廃棄しても有害物質を出しません。つまり、建てるときから壊すときまで環境にやさしいのです。
デザイン性と快適性の両立
「サステナブル」と聞くと、質素で味気ないイメージを持つ人もいるかもしれません。しかし、シラス壁はデザイン性も高く、モダンから和風まで幅広いスタイルに対応できます。
見た目の美しさと機能性を両立できる点も、次世代住宅にふさわしい理由です。
SDGsとのつながり
国連が掲げるSDGs(持続可能な開発目標)の中には、住み続けられるまちづくりや気候変動対策といった項目があります。
シラス壁は、
- エネルギー消費を減らす
- 健康的な暮らしを実現する
- 自然素材で環境負荷を軽減する
といった点で、SDGsの理念に合致する建材なのです。
まとめ
シラス壁は単なる自然素材の壁材ではなく、
- 製造段階から環境にやさしい
- 家の寿命を延ばす調湿効果
- 空気をきれいに保つ健康効果
- 冷暖房費を減らす省エネ効果
- 廃棄時も環境負荷が少ない
といった、サステナブルな未来を切り開く力を持っています。
これからの家づくりは、ただ住むだけではなく「次の世代に残せるかどうか」が大切です。シラス壁を取り入れた家は、その象徴といえるでしょう。
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