梅雨の時期に「家の差」がはっきり出る理由

2026/02/25(水) シラス壁コラム

はじめに

梅雨になると、同じ町に建っている家でも、まるで住み心地が違うように感じることがあります。

る家に入ると、空気がさらっとしていて、においも気にならない。
けれど別の家では、むわっとした湿気を感じ、洗濯物は乾きにくく、押し入れからかび臭さが漂うこともあります。

どちらも新しく、見た目はきれいです。
それなのに、なぜ差が生まれるのでしょうか。

梅雨は、家の「本当の力」が表れやすい季節です。
見た目ではわからない、素材や構造の性質が、静かに結果を出します。


梅雨は「湿気との戦い」の季節

梅雨の時期、日本の湿度は70〜85%に達する日も珍しくありません。
湿度が高くなると、

・床がべたつく
・布団や衣類がじめっとする
・洗濯物が乾きにくい
・壁や押し入れにカビが生える
・ダニが増える
・室内ににおいがこもる

といった問題が起きやすくなります。

湿度70%を超えると、カビやダニが活発に活動することも知られています。
つまり梅雨は、「不快」だけでなく、「健康」にも関わる季節なのです。


エアコンだけでは解決しない理由

たしかにエアコンは空気中の水分を減らします。
けれど、ここに見落としがあります。

エアコンが除湿できるのは“空気”です。
壁や天井、床、家具の内部に入り込んだ湿気までは直接コントロールできません。

もし壁の内部や下地に湿気がたまっていれば、空気を乾かしても、時間とともにまた水分が戻ってきます。
この差が、梅雨の間ずっと続く“じわじわした不快感”を生みます。


”実は、梅雨は「家の寿命」にも関係している

湿気の問題は、体感だけではありません。

壁の内部で結露が起きると、木材はゆっくりと傷みます。
断熱材が湿れば性能が落ちます。
見えない場所でカビが発生すれば、空気の質にも影響します。

梅雨は、家の空気だけでなく、「家の内部」にも影響を与える季節なのです。
ここで差が出るのが、素材の性質です。


湿気を閉じ込める家と、逃がせる家

現代の住宅は気密性が高く、外気を遮断する性能に優れています。
これは冷暖房効率の面では重要です。

しかし、湿気まで閉じ込めてしまうと問題が起きます。

大切なのは、湿気を完全に止めることではなく、適切に逃がすことです。
壁や仕上げ材が湿気を一時的に受け止め、条件が整えば放出できる。
そうした性質を持つ素材は、室内環境をゆるやかに安定させます。


自然素材が見直される理由

無垢材、土壁、漆喰などの自然素材が再評価されているのは、見た目のやわらかさだけではありません。

多くの自然素材は、目に見えない小さな孔を持っています。
この多孔質構造が、湿気を吸収し、放出する働きを持っています。

急激な変化を抑え、空気の状態をゆるやかに整える。
その積み重ねが、梅雨の体感の差となって表れます。


無機質でありながら「呼吸する」素材

自然素材の中でも、少し性質の異なるものがあります。
それが、シラスを原料とした壁材です。

シラスは、九州地方に堆積している火災流噴出物のうち、主に約2.7万年前の姶良カルデラの噴火によって発生した入戸火砕流を起源とする、白色~白灰色で砂状の自然素材です。

この素材は、非常に微細な多孔質構造を持っています。
その無数の孔が、湿気を吸放出する働きを持ちます。

さらに、

・無機質であるため腐食しにくい
・燃えにくい性質を持つ
・におい成分を吸着する働きがある

といった特徴があります。

有機系素材とは異なり、素材そのものが劣化しにくい点も特長です。
梅雨の時期に差が出る家では、こうした素材の性質が静かに働いています。


梅雨で「体感の差」が生まれる理由

同じ湿度60%でも、「重い」と感じる家と、「さらっとしている」と感じる家があります。
湿度計の数値は同じでも、体が感じているのは水蒸気量だけではありません。

壁や床の表面温度、空気の流れ、においのこもり方。
それらが重なって、空気の印象が決まります。

湿気を受け止め、ゆるやかに放出できる素材が使われている家では、急激な湿度変化が起きにくくなります。
その差が、梅雨に“はっきり”と表れるのです。


梅雨は「家の通知表」

エアコンを止めるとすぐじめじめする。
押し入れがかび臭い。
結露がひどい。

それは、湿気との付き合い方にまだ改善の余地があるサインかもしれません。
反対に、特別な操作をしなくても空気が安定している家は、素材や構造がうまく働いている可能性があります。

梅雨は、家の見えない性能を教えてくれる季節です。


これからの家づくりで考えたいこと

日本は湿気の多い国です。

だからこそ、湿気を「敵」として閉じ込めるのではなく、
湿気とどう付き合うかを考えることが大切になります。

断熱や気密はもちろん重要です。
そのうえで、湿気を一時的に受け止め、外へ逃がせる素材をどう取り入れるか。

それが、梅雨でも快適に過ごせる家づくりの鍵になります。


まとめ

梅雨は不快な季節と思われがちですが、住まいの本質を知る機会でもあります。

空気がさらっとしている。
においがこもらない。
洗濯物が乾きやすい。

その差は、目に見えない壁や素材の性質から生まれます。
見た目や設備だけではわからない部分にこそ、家の本当の力があります。

梅雨の時期こそ、素材の役割に目を向けてみる。
そこから、住まい選びの視点が少し変わるかもしれません。


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