シラス壁はアレルギー対策に効果的?花粉・ハウスダストを軽減する仕組み

はじめに
「家の中でもくしゃみが止まらない」
「掃除しているのに、ホコリっぽさが気になる」
こんな悩みを持っている人は多いのではないでしょうか。花粉症やハウスダストアレルギーは、外だけでなく、実は家の中の環境が大きく関係しています。
最近、アレルギー対策として注目されているのが「シラス壁」です。シラス壁は、自然素材からできた塗り壁で、健康や空気の質を気にする人たちの間で少しずつ広まっています。
そもそも「シラス壁」って何?
シラスとは、九州南部を中心に広がる火山噴出物のこと。
2.5万年前の大噴火で堆積した火砕流が、長い年月をかけて風化した自然素材です。
このシラスを原料にして作られた塗り壁が「シラス壁」です。
シラス壁には。次のような特徴があります。
- 湿度を調節し、カビやダニが増えにくい
- 空気を浄化してくれる
- 化学物質を使わないので安心
この特徴が、アレルギー対策と深く関係しています。
花粉やハウスダストはなぜつらいの?
花粉やホコリは、とても小さな粒です。空気中をふわふわと浮かび、呼吸と一緒に鼻やのどに入ります。それを体が「異物だ!」と判断すると、くしゃみや鼻水、目のかゆみが出ます。
特に家の中では、
- 床にたまったホコリ
- 空気中を舞うハウスダスト
- 外から持ち込まれた花粉
が主な原因になります。
つまり、空気中に浮かぶアレルギーの原因をどう減らすかがとても大切なのです。
シラス壁が花粉・ハウスダストに効く理由
静電気が起きにくい
ビニールクロスの壁は、静電気が起きやすい素材です。冬にパチッとするのと同じで、静電気があるとホコリを引き寄せやすくなります。
一方、シラス壁は自然素材なので、静電気がほとんど起きません。
そのため、
- ホコリが壁にくっつきにくい
- 空気中に舞い上がりにくい
という特徴があり、アレルギーの原因を減らすことにつながります。
カビやダニが増えにくい
ハウスダストの正体は、実はホコリだけではありません。
ダニの死がいやフン、カビの胞子も含まれています。
シラス壁は、室内の湿度が高くなると余分な湿気を吸収し、乾燥すると湿気を放出します。
湿気がこもりにくいため、カビやダニが増えにくい環境になります。これは、アレルギー体質の人にとって大きなメリットです。
化学物質を吸着して分解
シラス壁には、空気中にある化学物質を吸着して、分解する機能があります。
例えば、ニオイのもととなるアンモニアやシックハウスの原因として知られているホルムアルデヒドなどを吸着して分解することが分かっています。
これにより、ハウスダストや花粉によって、敏感になっている鼻の粘膜への刺激を軽減することが可能です。
空気清浄器のようにハウスダストや花粉を直接除去するのではなく、空気環境を清浄化することで身体への負担を軽減できます。
空気清浄機があればシラス壁はいらない?
ここでよくある疑問があります。
「空気清浄機があれば、壁は関係ないのでは?」というものです。
空気清浄機は、たしかにとても便利です。しかし、
- 電源を切れば効果はゼロ
- フィルターの掃除が必要
- 部屋全体を均一にきれいにするのは難しい
という弱点もあります。
一方、シラス壁は24時間、何もしなくても働き続けます。家そのものが空気を整える装置になるイメージです。
どちらが良い悪いではなく、組み合わせることで効果が高まると考えるとよいでしょう。
シラス壁は「治す」のではなく「減らす」対策
ここで大切なことを一つお伝えします。
シラス壁は、アレルギーを治す壁ではありません。
薬のように症状を止めるわけではなく、
- 花粉やホコリが舞いにくい
- アレルゲンがたまりにくい
- 化学物質を吸着・分解して空気を清浄化
という環境を作ることで、症状が出にくくなる手助けをします。
毎日少しずつ、体への負担を減らしてくれる存在です。
こんな人にシラス壁は向いている
シラス壁は、特に次のような人に向いています。
- 花粉症やハウスダストに悩んでいる
- 小さな子どもがいる家庭
- 自然素材の家に住みたい
「できるだけ体にやさしい環境を作りたい」という考えの人には、相性の良い壁材です。
まとめ:シラス壁は空気をきれいにする“脇役”
シラス壁は、目立つ存在ではありません。
でも、毎日静かに働いて、空気を整えてくれます。
- 静電気を防いでホコリを寄せつけない
- カビやダニを増やしにくい
- 化学物質を吸着・分解して空気を清浄化
「家にいると、なんだか楽」
そんな感覚を大切にしたい人に、シラス壁は一つの選択肢になるでしょう。
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