五感で感じる「心地いい家」の正体

2026/04/27(月) シラス壁コラム

はじめに

家に入った瞬間に、

「なんだか落ち着く」
「この空間、好きだな」

と感じたことはないでしょうか。

反対に、「きれいなのに、なぜか居心地がよくない」と感じることもあります。

この違いは、どこから生まれているのでしょうか。

多くの場合、その理由はひとつではありません。そして、目に見えるものだけで決まっているわけでもありません。
実は私たちは、無意識のうちに五感を使って空間を感じています。

今回は、「心地いい家」の正体を、五感という視点からひもといていきます。


視覚だけでは決まらない「心地よさ」

家づくりでは、どうしても「見た目」に意識が向きがちです。

  • おしゃれなデザイン
  • きれいな内装
  • 好きな色合い

こうした要素は、もちろん大切です。
ですが、見た目が整っていても、長く過ごしていると違和感を感じることがあります。
その理由は、心地よさが「視覚だけ」で決まっているわけではないからです。

私たちは知らず知らずのうちに、

  • 空気の感じ
  • 音の響き
  • 温度や湿度

といったものも含めて、その空間を評価しています。


音で感じる空間の違い

まず意外と影響が大きいのが、「音」です。
例えば、

  • 音が響きすぎる部屋
  • 反対に、やわらかく音が広がる空間

では、同じ広さでも感じ方が変わります。

音が強く反響する部屋は、少し落ち着かない印象になることがあります。
一方で、音がやわらかく収まる空間は、安心感を感じやすくなります。

この違いは、家具よりもむしろ、

  • 壁の素材
  • 天井の仕上げ

といった部分に影響されます。


空気の感じ方は目に見えない

次に大きいのが、「空気の感じ方」です。

  • なんとなく空気が重い
  • においがこもる感じがする
  • 逆に、すっきりしている

こうした感覚は、言葉にしにくいものですが、日々の快適さに大きく関わります。
そしてこの違いも、

  • 壁や天井の素材
  • 空間のつくり方

によって変わってきます。
人は無意識にこうした変化を感じ取り、「居心地がいいかどうか」を判断しています。


触れたときの安心感

「触れる」という感覚も、空間の印象に影響します。

  • 壁の表面の質感
  • 手すりやドアの手触り
  • 床の感触

こうした部分がやわらかいと、安心感につながることがあります。
逆に、硬くて冷たい印象が強いと、少し距離を感じることもあります。

触れる機会は多くなくても、その印象は意外と記憶に残るものです。


光のやわらかさがつくる雰囲気

視覚の中でも、特に大切なのが「光の感じ方」です。
同じ明るさでも、

  • 光が強く反射する空間
  • やわらかく広がる空間

では、居心地が変わります。
光がやわらかい空間は、落ち着きやすく、長く過ごしやすい傾向があります。
これは照明だけでなく、

  • 壁の素材
  • 表面の細かさ

によっても変わってきます。


温度と湿度が与える影響

「暑い」「寒い」だけでなく、温度と湿度のバランスも、心地よさに関わっています。
たとえば、

  • 湿気が多くて重たい空気
  • 乾燥しすぎている空間

どちらも長くいると疲れやすくなります。
反対に、湿度や温度が安定している空間は、体への負担が少なく、自然と居心地の良さにつながります。

こうした要素も、設備だけでなく、素材の性質によって影響を受けることがあります。


五感はすべてつながっている

ここまで見てきたように、

  • 視覚
  • 聴覚
  • 触覚
  • 嗅覚
  • 体感(温度・湿度)

は、それぞれ別のものではなく、互いに影響し合っています。
例えば、光がやわらかいと落ち着き、音の感じ方も穏やかに感じることがあります。
空気がすっきりしていると、空間全体の印象も良くなります。

つまり、「心地いい家」とは、五感のバランスが整っている空間とも言えます。


素材がつくる「感覚のベース」

こうした五感のバランスを支えているのが、空間のベースとなる素材です。

  • 天井
  • 外壁

といった部分は、常に空気や光と関わっています。
そのため、素材の違いが、

  • 光の広がり方
  • 音の響き方
  • 空気の状態

といった部分に影響していきます。
家具はあとから加えることができますが、こうしたベースの部分は、簡単には変えられません。


自然素材という選択肢

最近では、素材そのものの性質を活かした「自然素材」に注目が集まっています。
自然素材は、

  • 表面に細かな凹凸がある
  • 光をやわらかく受け止める
  • 空気との関わりを持つ

といった特徴を持つものがあります。
そのため、五感に対しても、やさしい影響を与えることがあります。


九州南部の大地から生まれた「シラス」

自然素材の中でも特徴的なもののひとつが「シラス」です。
シラスは、九州南部に広く分布している火砕流堆積物で、約2万7000年前の姶良カルデラの大噴火によって生まれた自然素材です。
とても細かい粒でできていて、その中には、目に見えないほど小さな穴が無数にあります。
この小さな穴が、いくつもの働きを生み出します。


五感に影響するシラスの特徴

シラスの表面は細かな粒でできているため、光をやわらかく受け止めます。
その結果、空間全体が落ち着いた印象になりやすくなります。
また、無数の小さな穴によって、

  • 湿度の変化をゆるやかにする
  • におい成分を吸着する

といった働きもあり、空気の感じ方にも関わります。
こうした性質は、五感の中でも特に「視覚」と「体感」に影響します。


内装としてのシラス壁

室内に使われるシラス壁は、やさしい質感を持っています。
光の反射がやわらかく、落ち着いた空間をつくりやすいのが特徴です。

また無機質の素材であるため、

  • 燃えにくい
  • 静電気が起きにくい

といった性質もあり、日々の暮らしの中で扱いやすい面もあります。
こうした要素が重なることで、五感全体にやさしい空間につながります。


外壁としてのシラス壁

シラスは、外壁としても使われています。
外壁は、

  • 雨や紫外線
  • 気温の変化

にさらされる部分です。そのため、

  • 耐久性
  • 安全性
  • 安定した見た目

が求められます。
無機質の素材は燃えにくく、外部環境の影響を受けにくいため、長く安定した状態を保ちやすいとされています。
外から見た印象も、住まいの心地よさの一部として積み重なっていきます。


心地よさは「あとから足すもの」ではない

心地いい家は、後からつくるものではありません。
家具やインテリアで整えることはできますが、五感に関わるベースの部分は、家づくりの段階で決まっています。

  • 光のやわらかさ
  • 空気の感じ方
  • 音の落ち着き

こうしたものは、素材や空間のつくり方によって左右されます。


まとめ|家づくりは「感覚を整えること」

家づくりは、単に見た目を整えることではありません。

そこに住む人が、毎日どのように感じるか。
その積み重ねが、住まいの満足度につながります。

五感で感じる心地よさは、言葉にしにくいものです。
ですが、確かに存在し、日々の暮らしに影響を与えています。

これから家づくりを考えるときは、ぜひ「見た目」だけでなく、
その空間でどんな感覚になるか
にも目を向けてみてください。
その視点が、長く心地よく暮らせる家につながっていくはずです。


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