野菜のパワーを体感できるレストラン

横浜市港北区菊名

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東急東横線、JR横浜線が乗り入れる菊名駅から、ほど近く。
駅前の喧騒を背後に歩みをすすめ、すっと視界が開けた場所に「野菜レストランさいとう」があります。

シックでモダンな印象の黒い天井に、白に少し黄色を含んだ色調のシラス壁。そして、ふんだんに木が使われた店内。ほっと肩の力が自然と抜けるような、柔らかな空気で満たされています。

内装には、ビオセラ(BC-53, ソフトヘアライン仕上げ)をご採用いただきました。木の質感と相性が良いとのこと。

写真1)内装には、ビオセラ(BC-53, ソフトヘアライン仕上げ)をご採用いただきました。木の質感と相性が良いとのこと。

自然の恵みである野菜を主役に、「野菜が喜ぶ環境をつくる」というコンセプトを実現したいと思われていたシェフの齊藤様。それは「食べる」という行為が、ただエネルギーを得るといったお座なりになっている現代人に、美味しいものを食べて、豊かな気持ちになるといった精神的な感覚も大切にしてもらいたいという想いから生まれたものでした。

「設計に入る前に、設計士にうちの料理を食べてもらったんです。野菜って生き物で、とってもエネルギーを持っている。そういう"生きた味"を感じてもらえる空間にしたいことを伝えました。」

当初、「蔵」を改装したお店のイメージをもっていたという齊藤シェフ。その流れで、なるべく自然素材を使って、お店を建てることになったのだそうです。天井は竹炭が入った塗料で施工。そして壁は、真っ白な漆喰よりも、少し温かみのある色のシラス壁(ビオセラ)が採用となりました。

壁に飾られているフォトフレームは、かつて農夫の作業着だったデニムを額縁マットに使用したこだわりの作品

写真2)壁に飾られているフォトフレームは、かつて農夫の作業着だったデニムを額縁マットに使用したこだわりの作品。また、生命力溢れる鮮やかな野菜の写真は、齊藤シェフご自身が撮られたもの。

「建物って作り上げて完成した時が終わりじゃないと思っているんです。そこから10年、20年と経年変化を見ていきたい。そういう意味で、このシラス壁は自然素材なので、どんどん味わい深くなっていくと思うんです。そういう価値観が好きなんです。」と齊藤シェフ。

採用されたテーブルや椅子にも、そのこだわりが。素材はインドネシア産のオールドチーク。伐採されたものではなく、雷や風などで倒れてしまった木を、わざわざ掘り起こし家具に仕立て上げたものを採用されました。倒木の方が自然と水分が抜け、伸び縮みをしにくい木材に。なんと7〜800年という樹齢ものなのだとか。重厚感があるのに、どこか懐かしい温かみがあるのはそういったストーリーがあるからなのでしょう。

勾配天井により、広がりが感じられる空間に

写真3)勾配天井により、広がりが感じられる空間に。ファンを回さなくても、いつも空気は新鮮に保たれているとのこと。自然素材シラス壁で、自然な空気循環と温湿度環境が実現しています。

高い天井を見上げながら、「いつも雰囲気がよくて、空気がきれい

写真4)高い天井を見上げながら、「いつも雰囲気がよくて、空気がきれい。私にとっても落ち着ける空間です。できればここで生活したいぐらい。」と語ってくださった齊藤シェフ。

料理は五感で感じるものだと仰る齊藤シェフ。料理やサービスだけを追う風潮には、少し抵抗を感じているとのこと。「塩化ビニール製の壁の近くで、化学的なニオイがする空間で食事をしても、吸ってる空気が良くなかったら、心から美味しいなんて感じられないと思うんですよね。だから、100%自然素材のシラス壁を採用したこの空間は、非常にうちの料理にマッチしていると感じます。」

お客様からは、『店内に入ったとたんに、空気が良くマイナスイオンのようなものを感じまくりました。』や『身体の細胞が喜んでます。』といった空間の心地良さや、身体全体でお料理を楽しまれたという感想を頂くのだそうです。

「野菜も壁も、何よりも素材が大事です」と語る齊藤シェフ

写真5)「野菜も壁も、何よりも素材が大事です」と語る齊藤シェフ。その言葉の奥には、身土不二(しんどふに)という「地元の旬の食材や伝統食を摂ることが、健康的で本来自然な形である」という考えが基本にあるとのこと。

ご自身も10年会社勤めをされていた時に、体調を崩された経験をもつ齊藤シェフ。その時「食事」が疎かになっていたことに気づかれます。その後回復し味覚が正常に戻った時、御父様が育てられた野菜を口にされる機会があり「なんて美味しいんだろう!」と幸せを感じられたのだそう。

「野菜からのエネルギーで自分がまさに生かされたと実感しました。この経験を伝えたいなと思うようになり、この道に進むことを決意しました。料理を作りたいとか、シェフになりたいという考えよりも、食の本質を皆さんに伝えたいと思ったのがスタートなんです。だから、このような空間で料理を提供できることが、本当に幸せです。」

仕込み中のお野菜を見せていただきました。見てください、この鮮やかな自然の色!

写真6)仕込み中のお野菜を見せていただきました。見てください、この鮮やかな自然の色!シェフの細やかな手仕事にも、野菜への愛情が感じられます。

外装は、スーパー白洲そとん壁W(W-121, かき落とし仕上げ)を使っていただきました。

写真7)外装は、スーパー白洲そとん壁W(W-121, かき落とし仕上げ)を使っていただきました。

生命力たっぷりの地元お野菜や厳然された食材を、さらには身体が喜ぶ空間でいただける経験は、とても貴重な体験ですし、また新しい発見につながるのではないかと、取材を通して感じた筆者です。ぜひ齊藤シェフのお料理と自然素材のもつ心地よさを、ご体感ください。

夜の外観

野菜レストランさいとう
〒222-0011
神奈川県横浜市港北区菊名6-5-16
東急東横線/JR横浜線「菊名駅」東口より徒歩2分

電話:045-434-1761
営業時間:
Lunch / 11:30~14:30(14:00 L.O)
Dinner / 18:00~22:00(20:30 L.O)
定休日:月曜・第2日曜

URL:http://www.restaurantsaito.com/

設計・施工:小泉木材株式会社
〒220-0004神奈川県横浜市西区北幸2-10-20
TEL:045-311-2801
URL:http://www.woodmeister.jp/