体感することの大切さを伝えたい〜託児保育園Earth8ight(アースエイト)

岡山県岡山市

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岡山駅の近隣にあり、人気住宅エリアである岡山市北区に、「カスタマイズド保育」という子ども一人ひとりの可能性を引き出すための幼児教育に取り組まれている託児保育園Eath8ight(アースエイト)様。その保育施設の壁にシラス壁「白洲漆喰」をご採用いただきました。

保育室には、自然素材として、真っ白な白洲漆喰の壁と、厚さ24mmで幅広の杉板が採用されました。

(写真1)保育室には、自然素材として、真っ白な白洲漆喰の壁と、厚さ24mmで幅広の杉板が採用されました。

子ども一人ひとりが自ら成長しようとする力を最大限に引き出せる環境をつくることが重要とおっしゃる園長の光本舞氏にお話を伺いました。
「この保育園の立地は、ビルの4階にあり窓も少ないという条件でした。また周りにはそれほど多くの自然もありません。しかしそれが現代社会に生きる我々の日常環境下であることには変わりはありません。そこを、どのように子どもたちの発達をサポートできる環境にしていくかが重要と考えています。」

自然素材がふんだんに使われた室内は、ビルの4階を感じさせない温かみのある空間に。

(写真2)自然素材がふんだんに使われた室内は、ビルの4階を感じさせない温かみのある空間に。

「保育園ではできるだけ自然素材のものを使っています。それは、幼児期は”触れる”ことから得るものが非常に大きいことにもあります。自然素材が出す風合いや手触りというものを、記憶には残らないにしても潜在意識の中に残してもらうことで、自然というものが身近に存在していることを伝えていきたいと考えています。」と光本園長。

取材した日は七夕の直前ということもあり、たくさんの飾り付けがされていました

(写真3)取材した日は七夕の直前ということもあり、たくさんの飾り付けがされていました。廊下にも保育室と同じ白洲漆喰と床材が使用され、施設全体に一体感があり狭さを感じさせません。素足で元気よく遊ぶお子様も居心地が良さそうでした。

また、使用されている玩具のほとんどが木のぬくもりを感じられ、口に入れても安全な自然素材で手づくりされたものなのだそう。

光本園長は「自然素材は ”傷がつきやすい” "壊れやすい” という面も持っているかと思いますが、そういう素材をあえて使うことで、子どもたちに”ものを大切に使う”ことの大切さや、遊んでいるものが”生活の一部”であることを伝えています。どうして傷ついたんだろう、どうしたら壊れないんだろう、壊れた時には誰が直してくれるんだろうなど大人が一緒に寄り添いながら体験させることで、子どもは多くのことを学んでいきます。」と自然素材を採用されている理由を教えてくださいました。

ウェブで世界との距離感がますます身近にある昨今

(写真4)ウェブで世界との距離感がますます身近にある昨今。幼児から英語に触れる機会も積極的に取り入れられており、スタッフは英語が堪能な方が多く海外出身者もいらっしゃいました。

月2回は森や海、毎日、田んぼで泥遊びをするなど、自然に直接触れる機会も設けられているのだとか。そういう場所では教えるというよりも感覚で捉えたり、疑問を持ってもらうことを大切にされています。例えば、”乾いている土”と”水を加えた土”がなぜ違うんだろうというような疑問をもたせり、いろんな種類の土があって、保育園で使われている壁もその一つということや、世界には様々なお家の建て方があるんだというような話しまで視点を広げることを大切にされているそうです。

手洗い場

ども達が直接触れる場所や目線の先には、動物や鳥、虫などをモチーフにしたドアノブやオブジェ、タイルなどが取り付けられています

(写真5)上:手洗い場。下:子ども達が直接触れる場所や目線の先には、動物や鳥、虫などをモチーフにしたドアノブやオブジェ、タイルなどが取り付けられています。これも森で見たものや、絵本を通して知ったものなど思い出し、自然が身の回りにあることを認識してもらうためなのだとか。

シラス壁の機能性については、保護者様からもトイレの臭いがしない、空気感が違うとの声もお聞きになっており、消臭・調湿効果を実感されています。また空気清浄機能については「喘息持ちだったお子様が、通園するようになり症状がおさまったのには驚きました。また毎年冬になると気管支炎になってしまうと悩まれていた親御様から、通園した年の冬も覚悟していたのに発症しなかったとお聞きしました。自然素材の持つ力は素晴らしいですね。」とエピソードもお話しくださいました。

トイレの床は桧の無垢材が使用されています

(写真6)トイレの床は桧の無垢材が使用されています。環境に悪い洗剤は使わずこまめに掃除することを心がけているとのこと。こちらにも消臭効果の優れた白洲漆喰が壁全面に使用されているので、臭いも気にならないとのこと。

シラス壁の強度についても「予想以上に傷つかないです。開園から約3年が経ちますが、子どもがやることなどで少しは傷が目立つところもあります。しかしこの程度で済んでいることにも驚いています。」とのこと。

動物の豊かな表情に思わず微笑んでしまう作品は、ムツゴロウ先生こと畑正憲氏のもの。

(写真7)動物の豊かな表情に思わず微笑んでしまう作品は、ムツゴロウ先生こと畑正憲氏のもの。

取材の最後に「シラス壁にもたれかかったり、手で触れたりするだけでも、なぜか安心感を覚えたり、幸せな気持ちになったり、目には見えませんが、よい”気”が流れているなと感じることがよくあります。また、子どもたちの成長に、直に関わるスタッフにも幸せを感じてもらえる環境が重要であると考えており、それをシラス壁は支えてくれていると感じています。」と穏やかに語られた光本園長。

自然との距離が感じられる現代だからこそ、自らも自然の一部であることを再認識し生活することが、心と身体を健康に保っていくことに繋がると、園児のみなさんやスタッフの方たちの生き生きとした姿を拝見して感じました。

園のエントランスには、暖炉と大きな本棚が設置されています

(写真8)園のエントランスには、暖炉と大きな本棚が設置されています。子どもたちが心から安心だと思える空間づくりを徹底されていると感じました。

<託児保育園Earth8ight(アースエイト)>
〒700-0973 岡山県岡山市北区中野1200番4号
TEL 086-242-3318
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<デザイン設計:服部建築デザイン事務所>
〒700-0977 岡山県岡山市北区問屋町11-102 三鼓和装ビル203
TEL 086-244-4105
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